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Tief im Herzen trag'ich Pein    
  Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder)
世俗歌曲第23番『心の奥深くわたしは苦しみを秘め』  
     スペイン歌曲集_世俗歌曲集

詩: ガイベル (Franz Emanuel August Geibel ,1815-1884) ドイツ
    Spanisches Liederbuch - 2. Weltliche Lieder(スペインの歌の本 2.世俗歌曲) 17 Tief im Herzen trag' ich Pein 原詩:カモンイス Luís Vaz de Camões,

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Tief im Herzen trag' ich Pein,
muß nach außen stille sein.

Den geliebten Schmerz verhehle
tief ich vor der Welt Gesicht;
und es fühlt ihn nur die Seele,
denn der Leib verdient ihn nicht.
Wie der Funke frei und licht
sich verbirgt im Kieselstein,
trag' ich innen tief die Pein.

心の奥深くわたしは苦しみを秘め
決してそれを表に出すことはない

この愛しい苦痛を世俗の人たちの前では
深く覆い隠している
それを感じることのできるのは魂だけで
肉体にはその資格がないのだから
奔放にきらめく火花が
火打ち石の中に身をひそめるように
わたしは苦しみを内に深く秘めている


作者はルネッサンス期のポルトガルの詩人。冒頭の「心の奥深く」と最終行の「内に深く」は、参照した三種の訳では冒頭の方に揃えて同じになっていますが、後の方はその前の火打ち石の比喩に対応して「心」ではなく「内側」としていると思い、より原文に忠実に訳してみました。この詩にはシューマンも作曲しています。

ヴォルフの作曲はその詩にふさわしくほの暗く静かなもので、渋く地味な作品です。ピアノは穏やかに慎ましく火花のきらめきを表しているようです。ヴォルフ協会SP復刻盤のヤンセン、フィッシャー=ディースカウの二種、そしてベーアと、バリトンばかり4種の録音を聴きました。得意のピアニッシモを駆使したフィッシャー=ディースカウ氏はいつもながら鮮やかです。

( 2003.3.15 甲斐貴也 )


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