March The Western Playland |
三月 西方の遊び場 |
The Sun at noon to higher air, Unharnessing the silver Pair That late before his chariot swam, Rides on the gold wool of the Ram. So braver notes the storm-cock sings To start the rusted wheel of things, And brutes in field and brutes in pen Leap that the world goes round again. The boys are up the woods with day To fetch the daffodils away, And home at noonday from the hills They bring no dearth of daffodils. Afield for palms the girls repair, And sure enough the palms are there, And each will find by hedge or pond Her waving silver-tufted wand. In farm and field through all the shire The eye beholds the heart's desire; Ah,let not only mine be vain, For lovers should be loved again. |
太陽は真昼の高い空へ 解き放つのだ 銀色の二組を つい先ほどまで馬車の前を泳いでいた魚を そして乗るのだ 羊の金のウールの上に そしてひときわ高らかな声でツグミが歌うと 動き出すのだ ものごとのさび付いた車が そして野の獣も 檻の獣も 跳びはね 世界は再び回る 少年たちは森へ行く 太陽と共に スイセンを取ってくるために そして家には昼頃にあの丘から 持ってくるのだ 山のようなスイセンを 野にシュロを求めて娘たちが行けば もちろんのこと シュロはそこにあり そしてめいめいが見つけるだろう 生垣や池のそば 彼女を手招きしているのを 銀の房の小枝が 畑に 野に このあたり一帯の 目は見るだろう 心の願いを ああ ぼくの願いだけ無駄にしないでくれ 恋する者たちはきっとまた愛されるべきなのだから |
詩集「シュロップシャーの若者」の10番目の詩。さわやかな春の情景描写はとても楽しげですが、最後にちょっとしたオチがついています。弦楽4重奏の美しさをフルに生かしたガーニーの音楽はメロディの美しさもあいまって大変印象的。この歌曲集の最後を締めるのにふさわしい堂々たる曲となりました。
( 2016.07.30 藤井宏行 )