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The aspens    
  The Western Playland
アスペンの木  
     西方の遊び場

詩: ハウスマン (Alfred Edward Housman,1859-1936) イングランド
    A Shropshire Lad 26 Along the field as we came by

曲: ガーニー (Ivor Gurney,1890-1937) イギリス   歌詞言語: 英語


Along the field as we came by
A year ago,my love and I,
The aspen over stile and stone
Was talking to itself alone.
“Oh who are these that kiss and pass?
A country lover and his lass;
Two lovers looking to be wed;
And time shall put them both to bed,
But she shall lie with earth above,
And he beside another love.”

And sure enough beneath the tree
There walks another love with me,
And overhead the aspen heaves
Its rainy-sounding silver leaves;
And I spell nothing in their stir,
But now perhaps they speak to her,
And plain for her to understand
They talk about a time at hand
When I shall sleep with clover clad,
And she beside another lad.

野原に沿って ぼくたちがそぞろ歩いた時
一年前 恋人とぼくとが
アスペンの木が石段の上で
ひとりごとをつぶやいていた
「おや 誰があそこをキスしながら通り過ぎるのだ?
村の恋する男とその彼女だな
恋する二人は結婚するつもりのようだ
時が二人をベッドに送るだろう
だが女は大地に横たわり
男の方は別の女の脇にだがな」

そして全くその通りに その木の下を
歩いてるのだ 別の恋人はぼくと一緒に
頭上ではアスペンの木が波打たせている
雨の音のする銀の木の葉を
だけどぼくは何も聞き取れなかった そのざわめきからは
今度はおそらく 木の葉は彼女に話しかけてるのだろう
そしてはっきり彼女は理解するのだろう
彼らは話しているのだ すぐにやってくる時のことを
ぼくがクローバーをまとって眠り
彼女が別の若者の横にいる時のことを

ハウスマンが好んで自分の詩集「シュロップシャーの若者」の中に取り上げたテーマのひとつ、恋人が死んですぐ残された方は別の相手とくっつくお話。これは詩集の26番目の詩です。ブラックユーモアを湛えた詩の内容ではありますが、ガーニーのつけたメロディはしみじみと美しく、そんな毒気を感じさせません。

( 2016.07.30 藤井宏行 )


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