Schmerzliche Wonnen Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder) |
世俗歌曲第18番『苦しい喜び』 スペイン歌曲集_世俗歌曲集 |
Schmerzliche Wonnen und wonnige Schmerzen, Wasser im Auge und Feuer im Herzen, Stolz auf den Lippen und Seufzer im Sinne, Honig und Galle zugleich ist die Minne. Oft,wenn ein Seelchen vom Leibe geschieden, möcht' es Sankt Michael tragen in Frieden. Aber der Dämon auch möcht es verschlingen; Keiner will weichen,da geht es ans Ringen. Seelchen,gequältes,in ängstlichem Wogen fühlst du dich hier hin und dort hin gezogen, aufwärts und abwärts. In solches Getriebe stürzt zwischen Himmel und Höll' uns die Liebe. Mütterchen,ach,und mit siebenzehn Jahren hab ich dies Hangen und Bangen erfahren, Hab's dann verschworen mit Tränen der Reue; ach,und schon lieb' ich,schon lieb' ich auf's neue. |
苦しい喜びでありまた嬉しい苦痛 目には涙をうかべながら心は炎と燃え 口では誇り高く内心はため息をつく 恋は甘い蜜であると同時に苦い汁なのです 肉体から魂が離れるとき 聖ミカエルがそれを安息に導こうとすると 悪魔はそれを飲み込もうとし 両者は譲らずに格闘になることがままあります かわいそうな魂は痛めつけられ、不安の大波の中を こっちへあっちへ、上へ下へと振り回される思いをします 恋はそのような騒動の中に、天国と地獄の間に わたしたちを突き落とすのです お母さん、ああ、そしてわたしは17歳にして その不安と動揺を経験してしまったの そして悔悟の涙とともに二度と恋などしないと誓ったわ だけどああ、もう恋をしてるの、もうまた新しい恋をしてしまったの! |
なにやらもっともらしい恋愛論が続くかと思えば、それを語るのは17歳の娘で、しかも涙の誓いにもかかわらずまた恋をしているというオチ。天使と悪魔に振り回されるかのようなせわしないピアノが印象的です。あまり人気のある曲ではないようですが、二種の全集のシュヴァルツコップとオッターはともに面白おかしく聴かせてくれます。もうひとつ手元には我が国のソプラノ釜洞祐子さんのディスクがあります。どちらかというと前3節をしかめつらしく歌って最後にオチをつける二種の全集に比べ、釜洞さんのは最初から可愛らしく嘆いているようで、これはこれでまた良いと思いました。
( 2003.2.19 甲斐貴也 )