Martsviolerne Tre digte af H. C. Andersen |
三月スミレ アンデルセンの3つの詩 |
Sig himlen hvælver så ren og klar, isblomster fryser på rudens glar; i solens flamme så smukt de stå; en yngling sidder og ser derpå. Men som han på de blomster ser, to pigeøjne derude ler; så skønne blomster han aldrig så; to martsvioler så smukke blå. Isblomsten smelter ved kindens brand. - Vorherre hjælpe den unge mand! |
空の天井は晴れて澄み渡っている 霜の結晶が窓ガラスをきらめかす 太陽の炎がとても美しく反射して そこに立っているのは ひとりの若者だ 彼は中を覗き込む だが 彼は花が咲くのを見たのだ 女の子のふたつの瞳がほほ笑むのを とても美しい花 まだ誰も見たことのないような 三月スミレだ きれいな青色をした 霜は融けてゆく 頬の熱気で -神様、この若者に恵みを授けたまえ! |
シャミッソーがドイツ語に訳したものにシューマンが曲をつけたものが良く知られていますが、アンデルセンのデンマーク語の原詩にはガーデ(ゲーゼ)が曲をつけていました。詩がこの内容ですからシューマンとほとんど曲想は変わらず、さわやかな早春の恋の芽生えを美しく描き出しています。詩はちょっとシャミッソーのものとかなり違っておりますが。Danacordレーベルから出ているソプラノのマイヤー=トプセの歌うこの歌にとても心癒されました。言葉の壁はいかんともし難いですがもっと皆取り上げたらいいのに...
ちなみにシャミッソーのドイツ語詞でも歌われるのだそうです。
( 2016.03.16 藤井宏行 )