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風はそよ風    
 
 
    

詩: 東辰三 (Azuma Tatsumi,1900-1950) 日本
      

曲: 明本京静 (Akemoto kyousei,1905-1972) 日本   歌詞言語: 日本語


「おはようさん」とも 言わないで
そっとわが家の 軒先に
朝の光と 共に来て
なぜかみんなを ほほえます
風はそよ風 春の風
 
「こんにちは」とも 言わないで
そっと畑に 野に山に
鳥のなく音と 共に来て
花も蕾も ほころばず
風はそよ風 春の風
 
「こんばんは」とも 言わないで
そっと灯影の 窓先に
月の明かりと 共に来て
楽しい調べの 歌誘う
風はそよ風 春の風


昭和21年、前年の敗戦まで戦意高揚の歌ばかりを作り、流してきたことの反省からNHKラジオで始まった番組「ラジオ歌謡」。その記念すべき第1曲目がこの作品なのだそうです。作曲の明本もそれまで鮮烈な戦時歌謡をいくつも書いていたのが一転して、耳に残る愛らしいメロディでこの番組の精神に応えています。作詞の東辰三(あずまたつみ)は作曲家としても活躍した人で、終戦後の歌謡界で大ヒットを記録した「港の見える丘」などを書きましたが残念ながら若くして亡くなってしまいました。

( 2016.04.04 藤井宏行 )


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