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In the Alley    
  Five Street Songs
路地で  
     5つのストリートソング

詩: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ
      

曲: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ   歌詞言語: 英語


On my way to work one summer day,
Just off the main highway,
Through a window in an alley
smiled a lass,her name was Sally,
O could it be!
O could it be she smiled on me!
All that day,before my eyes,
amidst the busy whirl,
came the image of that lovely Irish girl,
And hopes would seem to rise,
as the clouds rise in the skies,
When I thought of her and those beaming eyes.
So that evening,dressed up smart and neat,
I wandered down her street,
At the corner of the alley
was another man with Sally,
and my eyes grew dim,
She smiles on him,only on him!

仕事に行く途中のある夏の日のこと
ちょうどメインの大通りを外れたところ
路地にあるひとつの窓から
女の子が微笑んでた その子の名前はサリーだ
おお もしかしてだけど!
おお もしかしてあの子 俺に微笑んだんじゃないか!
その日の間じゅう 俺の目の前には
せわしない喧噪の中
あの可愛いアイリッシュ娘の幻が浮かんでたんだ
そして希望は湧き上がっていくようだった
雲が空に昇って行くように
俺はあの子のことを あの輝く瞳のことを思って
その晩 めかし込んだのさ こざっぱりと
俺は通りをさまよった
すると路地の角に
別の男がサリーと居たのさ
俺の目は霞んじまった
あの子はそいつに微笑んでたんだ そいつだけに!


青春の甘酸っぱい しかしかなりほろ苦い思い出を噛みしめるようなしっとりと味わい深い歌です。といいつつアイヴズがまだ20代前半の1896年に作曲されているようなのですが。アイヴズはこの歌の副題に“After a Session at Poli's. Not sung by Caruso,Jenny Lind,John McCormack,Harry Lauder,George Chappell or the Village Nightingale.”とあります。PoliというのはHyperionnoサイトの解説によれば彼のよく通っていた劇場の名なのだそうで、その後に出てくる大歌手たちの名前(最後に村のナイチンゲールまで...)は彼一流のジョークでしょう。歌の方も抒情的ではありながら若い頃にありがちな勘違いをベタな表現でほんのりユーモラスに描き出しています。Youtubeでいくつかライブの映像が見られますが、最後のオチのところなど聴衆から笑いがこぼれているものがいくつもありました。

( 2016.03.13 藤井宏行 )


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