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Muß es eine Trennung geben   Op.33-12  
  Die schöne Magelone
別れが必要だというのか  
     美しきマゲローネ

詩: ティーク (Johann Ludwig Tieck,1773-1853) ドイツ
    Liebesgeschichte der schönen Magelone und des Grafen Peter von Provence 13 Muß es eine Trennung geben

曲: ブラームス (Johannes Brahms,1833-1897) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Muß es eine Trennung geben,
Die das treue Herz zerbricht?
Nein,dies nenne ich nicht leben,
Sterben ist so bitter nicht.

Hör' ich eines Schäfers Flöte,
Härme ich mich inniglich,
Seh' ich in die Abendröte,
Denk' ich brünstiglich an dich.

Gibt es denn kein wahres Lieben?
Muß denn Schmerz und Trennung sein?
Wär' ich ungeliebt geblieben,
Hätt' ich doch noch Hoffnungsschein.

Aber so muß ich nun klagen:
Wo ist Hoffnung,als das Grab?
Fern muß ich mein Elend tragen,
Heimlich bricht das Herz mir ab.

別れが必要だというのか
誠実な心を打ち砕く別れが?
違う 私はこれを生きることとは呼ばない
死もこれほどには苦くないのだ

羊飼いの笛の音を聞くと
心の底から悲しくなる
夕焼けを眺めると
私はあなたを情熱的に思うのだ

真実の愛はないのだろうか?
苦しみと別れがなくてはならぬのか?
愛されずにいるのであれば
まだしも希望の光があったであろうに

だがこうして今は嘆かねばならぬ
どこに希望があるのだ 墓の中の他に?
遠くへと私は自らの不幸を運ばねばならぬ
ひそかにこの胸は張り裂けてしまうだろう


第13章「異郷におけるペーター(Peter unter den Heiden)」翌朝舟の上で目を覚ましたペーターは輝く太陽の下、やはり力強く生き延びようと心に決めます。一隻の船が近付いて来て彼を助け上げますが、それは異教徒たちの船で、眉目淡麗な彼はスルタンへの手土産として連れて行かれることになりました。船が岸につくと、直ちに彼はスルタンのもとに連れて行かれ、スルタンはペーターを殊の外気に入りました。給仕やら庭園の監督やらを任せられて、彼は王宮の人気者となりましたが、一人庭園にいる時など、彼はツィターを手にこんな歌を口ずさむのでした。

いかにもブラームスらしい嘆きの歌。控え目に鳴り響くピアノの分散和音と声との掛け合いが美しい歌です。

( 2016.03.06 藤井宏行 )


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