Tormento |
苦悩 |
Quando ricorderò le tue carezze ove mai sarai tu? Di quei giorni di sogni e di dolcezze che mai resterà più? Quando ti chiamerò nel mio tormento chi mai responderà? Amore è come un alito di vento: passa,carezza,va! E se t'incontrerò su la mia via che mai dir ti potrò? Una stella filò come una scia e il mare la smorzò. Ma s'io ti chiamerò come in quell’ore non fuggir-mi così. Non volgere la faccia al mio dolore se il tuo sgno morì! |
ぼくが思い出す時 君のあの愛撫を どこにいるんだ 君は? 夢と甘美さのあの日々の 何がいったい残ってるんだ? 苦しさのあまりに君を呼ぶ時に 誰がいったい答えてくれるのだろう? 愛はまるでそよ風の吐息のように 通りかかり 愛撫して 去って行くのだ! そしてもし君に出会っても 行きずりに 何をいったい君に伝えられるだろう? 星は流れて行く 航跡のように そして海がそれを消してしまった だけどもしぼくが君を呼んだら あの時のように ぼくから逃げないでくれ そんな風に 顔を向けたりしないで ぼくの苦しみに もしも君の夢が死んだのだとしても! |
晩年の作品。とりあえず多くの資料ではこの時期に集中して書かれたマッツオーラの詩にこの曲もつけたことになっておりますが、作者不詳としているところもありよく分かりません。いちおうマッツオーラ説に従っておきます。トスティの王道である暗く始まった冒頭が転調して陶酔的に甘いメロディに変わって盛り上がっていくやり方を詩の内容的に取れません関係で、最後まで暗く地味に歌われますのでカタルシスは得にくいですが、地味なりに味わいのある良い歌ですのでけっこう良く取り上げられます。管弦楽伴奏ではありますが、ベルゴンツィの濃密な歌声がなかなか聴かせてくれます。
( 2016.03.05 藤井宏行 )