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Chanson espagnole   L 42  
 
スペインの歌  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Poésies posthumes  Chanson (1844)

曲: ドビュッシー (Claude Achille Debussy,1862-1918) フランス   歌詞言語: フランス語


Nous venions de voir le taureau,
Trois garçons,trois fillettes,
Sur la pelouse il faisait beau,
Et nous dansions un bolero
Au son des castagnettes;
Dites-moi,voisin,
Si j'ai bonne mine,
Et si ma basquine
Va bien,ce matin,
Vous me trouvez la taille fine?
Ah! ah!
Les filles de Cadix aiment assez cela.

Et nous dansions un bolero
Un soir c'était dimanche,
Vers nous s'en vint un hidalgo
Cousu d'or,la plume au chapeau,
Et la poing sur la hanche:
Si tu veux de moi,
Brune au doux sourire,
Tu n'as qu'a le dire,
Cette or est à toi.
Passez votre chemin,beau sire,
Ah! Ah!
Les filles de Cadix n'entendent pas cela.



あたしたち、闘牛を見に行ったの
3人の男の子と3人の女の子で
芝生の上はいいお天気
だからあたしたち ボレロを踊ったの
カスタネットの音に乗せて
「ねえ言って 隣のあんた
あたしがいけてるかどうか
それとあたしのこのバスクの服
似合ってるかどうか 今朝は
あんたも思うでしょ あたしの腰がスリムだって?
ああ! ああ!
カディスの娘はこういうのが大好きよ!」

あたしたち ボレロを踊ってたわ
ある夕方 日曜日だったわ
あたしたちのところにやってきたの 一人の紳士が
金ぴかに飾り立てて 羽を帽子につけて
そいつはこぶしを腰にあててさ
「もし君がぼくのものになりたいのなら
可愛い笑顔のお嬢さん
君はただそう言いさえすればいい
この金は君のものだよ」だって
近寄らないで ご立派な旦那さま
ああ! ああ!
カディスの娘はそんなこと聞かないわ


1883年の作曲ですが、最近発見されたのでしょうか、またデュエット曲ということもありあまり知られていない歌です。タイトルが違っているので気がつきにくいですが、この詩はドリーブ作曲のものが良く知られて歌われている「カディスの娘」です。同じ声の質のデュエットという指定がありますので、通常はドビュッシーの歌曲と相性の良いソプラノのデュエットで歌われますが、ソプラノとテナーの組み合わせもしばしば耳にします。初期ドビュッシーの透明感のある美しいメロディが、ここではちょっとボレロの音楽と相性が悪くて魅力を打ち消し合ってしまっているような気もしますが、彼の管弦楽曲「イベリア」の幻想性を思わせるような響きは時折ハッとするような眩惑を見せてくれます。

( 2016.02.27 藤井宏行 )


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