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Les filles de Cadix    
 
カディスの娘  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Poésies posthumes  Chanson (1844)

曲: ピエルネ (Gabriel Pierné,1863-1937) フランス   歌詞言語: フランス語


Nous venions de voir le taureau,
Trois garçons,trois fillettes,
Sur la pelouse il faisait beau,
Et nous dansions un bolero
Au son des castagnettes;
Dites-moi,voisin,
Si j'ai bonne mine,
Et si ma basquine
Va bien,ce matin,
Vous me trouvez la taille fine?
Ah! ah!
Les filles de Cadix aiment assez cela.

Et nous dansions un bolero
Un soir c'était dimanche,
Vers nous s'en vint un hidalgo
Cousu d'or,la plume au chapeau,
Et la poing sur la hanche:
Si tu veux de moi,
Brune au doux sourire,
Tu n'as qu'a le dire,
Cette or est à toi.
Passez votre chemin,beau sire,
Ah! Ah!
Les filles de Cadix n'entendent pas cela.

Et nous dansions un bolero,
Au pied de la colline.
Sur le chemin passait Diégo,
Qui pour tout bien n'a qu'un manteau
Et qu'une mandoline:
La belle aux doux yeux,
Veux-tu qu'à l'église
Demain te conduise
Un amant jaloux?
Jaloux! jaloux! quelle sottise!
Ah! ah!
Les filles de Cadix craignent ce défaut là!

あたしたち、闘牛を見に行ったの
3人の男の子と3人の女の子で
芝生の上はいいお天気
だからあたしたち ボレロを踊ったの
カスタネットの音に乗せて
「ねえ言って 隣のあんた
あたしがいけてるかどうか
それとあたしのこのバスクの服
似合ってるかどうか 今朝は
あんたも思うでしょ あたしの腰がスリムだって?
ああ! ああ!
カディスの娘はこういうのが大好きよ!」

あたしたち ボレロを踊ってたわ
ある夕方 日曜日だったわ
あたしたちのところにやってきたの 一人の紳士が
金ぴかに飾り立てて 羽を帽子につけて
そいつはこぶしを腰にあててさ
「もし君がぼくのものになりたいのなら
可愛い笑顔のお嬢さん
君はただそう言いさえすればいい
この金は君のものだよ」だって
近寄らないで ご立派な旦那さま
ああ! ああ!
カディスの娘はそんなこと聞かないわ

あたしたち ボレロを踊ってたわ
丘の麓で
そばの小道をディエゴが通り過ぎた
身に着けてるのはマントと
そしてマンドリンだけで
「きれいな目をしたカワイコちゃん
君は望むかい 教会に
明日 連れてってもらうのを
嫉妬深い恋人に?」
嫉妬!嫉妬!なんて馬鹿げたこと!
ああ! ああ!
カディスの娘は大嫌い そんな欠点なんて


ドリーブ作曲のものだけが良く知られ歌われますが、もう少し若い世代の作曲家ピエルネの書いた曲はもっと鮮烈でお洒落です。その分スペインの田舎っぽさは減退したかもしれませんが、きらめくピアノに掛け合う歯切れの良い歌はとても素晴らしい聴きものです。残念ながらTimpaniにあるピエルネ歌曲集にあるものしか耳にできておりませんが、このCDでのサビーヌ・ルヴォ・ダロンのソプラノにサミュエル・ジャンのピアノ、大変な力演で聴きごたえ十分。印象派風のカディスの娘、っていうのも悪くありません。

( 2016.02.27 藤井宏行 )


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