TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Chanson de Fortunio    
 
フォルテュニオの歌  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Poésies nouvelles  Chanson de Fortunio

曲: オッフェンバック (Jacques Offenbach,1819-1880) フランス   歌詞言語: フランス語


Si vous croyez que je vais dire
Qui j'ose aimer,
Je ne saurais,pour un empire,
Vous la nommer.

Nous allons chanter à la ronde,
Si vous voulez,
Que je l'adore et qu'elle est blonde
Comme les blés.

Je fais ce que sa fantaisie
Veut m'ordonner,
Et je puis,s'il lui faut ma vie,
La lui donner.

Du mal qu'une amour ignorée
Nous fait souffrir,
J'en porte l'âme déchirée
Jusqu'à mourir.

Mais j'aime trop pour que je die
Qui j'ose aimer,
Et je veux mourir pour ma mie
Sans la nommer.

君たちが信じているとしても 私が白状するだろうと
誰を私が愛しているのかを
私にはできないんだ たとえ帝国と引き換えでも
君たちに彼女の名を伝えることは

さあ 歌おうじゃないか 輪になって
もし君たちが望むなら
私が彼女を愛してることを ブロンドの髪をしてることを
まるで小麦のような

私はするつもりだ 何であろうと彼女の気まぐれが
私に命じたいと望むものを
そして私にはできる もしも彼女がこの命を望むなら
彼女に捧げることだって

無視された恋の痛みを
私たちは苦しんでいるが
私は抱いている この引き裂かれた魂を
死んでしまうまで

だが 私はあまりに愛しすぎているのだ 死んでしまうほどに
私のこの愛のために
そして私は死にたいのだ 私の愛する人のために
その名を明かすことなく


ミュッセの同名の戯曲の挿入歌として詩が書かれたもので、初演(1850)の際にメロディを書いたのはまだ無名だったオッフェンバックだったそうです。天性のメロディストですので、仄かに愁いを帯びた美しい歌曲となりました。その11年後の1861年にはこの歌を下敷にした40分ほどのオペレッタ「フォルテュニオの歌」を書いており、その中でも効果的に使われています。
この歌の録音では、カミーユ・モラーヌのハイバリトンで歌われたエラート盤が絶品の歌唱でした。

( 2016.02.25 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ