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Adieux à Suzon    
 
さよならシュゾン  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Poésies nouvelles  Adieux à Suzon

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: フランス語


Adieu Suzon,ma rose blonde,
Qui m'a aimée pendant huit jours;
Les plus courts plaisirs de ce monde
Souvent font les meilleurs amours.
Sais-je,au moment où je te quitte,
Où m'entraîne mon astre errant?
Je m'en vais pourtant,ma petite,
Bien loin,bien vite,
Toujours courant.

Je pars,et sur ta lèvre ardente
Brüle encor mon dernier baiser.
Entre mes bras,chère imprudente,
Ton beau front vient se reposer.
Sens-tu mon coeur,comme il palpite?
Le tien,comme il battait gaiement!
Je m'envais pourtant,ma petite,
Bien loin,bien vite,
Toujours t'aimant.

さよならシュゾン、ぼくのブロンドのバラ
ぼくを8日間だけ愛した人よ
この世で一番短い喜びが
ときには最高の愛になるのさ
ぼくは知るだろうか、きみから去るときに
ぼくのさまよえる星がぼくをどこへと導くのかを?
それでもぼくは行くのさ、いとしい人よ
とても遠くへ、とてもすばやく、
ずっと駆けてゆく

ぼくはゆく、だけどきみの熱いくちびるが
まだ燃えているよ ぼくの最後のくちづけで
ぼくの腕は、愛しいお調子者よ
きみの美しい顔を憩わせたばかりだ
きみは感じるだろうか ぼくの心がどんなに高鳴っているのかを?
きみの心も、何と楽しげに鳴っていたか!
それでもぼくは行くのさ、いとしい人よ
とても遠くへ、とてもすばやく、
ずっと駆けてゆく


ビゼーのつけた歌曲が割と知られているミュッセの情熱的な恋愛詩。トスティは同じ詩に1893年に全く別のメロディの「シュゾン」という曲を書いています。そちらがかなり本格的な歌曲になったのに対して、こちらは軽い小唄のような感じ。物凄い早口で駆け抜けた後、曲の最後には「ラララ」の延々と長く続くフレーズがついて何だか楽しげです。
ミュッセの原詩は5連からなるようですが、この曲ではIMSLPにあった楽譜も、唯一音となっているのを聴けたマッテウッツィの歌も2節目まででしたので掲載もそこまでとしました。全5節はビゼーの項をご覧ください。

( 2016.02.23 藤井宏行 )


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