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La mort d'Ophélie    
 
オフィーリアの死  
    

詩: ラグヴェ (Ernest-Wilfrid Legouvé,1807-1903) フランス
      La mort d'Ophélie

曲: サン=サーンス (Charles Camille Saint-Saens,1835-1921) フランス   歌詞言語: フランス語


Auprès d'un torrent,Ophélie
Cueillait tout en suivant le bord,
Dans sa douce et tendre folie,
Des pervenches,des boutons d'or,
Des iris aux couleurs d'opale,
Et de ces fleurs d'un rose pâle,
Qu'on appelle des doigts de mort.

Puis élevant sur ses mains blanches
Les riants trésors du matin,
Elle les suspendait aux branches,
Aux branches d'un saule voisin;
Mais,trop faible,le rameau plie,
Se brise,et la pauvre Ophélie
Tombe,sa guirlande à la main.

Quelques instants,sa robe enflée
La tint encor sur le courant,
Et comme une voile gonflée,
Elle flottait toujours,chantant,
Chantant quelque vieille ballade,
Chantant ainsi qu'une naïade
Née au milieu de ce torrent.

Mais cette étrange mélodie
Passa rapide comme un son;
Par les flots la robe alourdie
Bientôt dans l'abîme profond;
Entraïna la pauvre insensée,
Laissant à peine commencée
Sa mélodieuse chanson.

小川のそばで オフィーリアは
摘んでまわる 流れに沿いながら
自分の甘く優しい狂気に駆られて
ツルニチニチソウを ヒナギクを
オパールの色をしたアイリスを 
それから蒼ざめたバラ色をした花たちを
この花は死者の指と呼ばれているのだが

それから彼女の白い手の上に持ち上げる
朝の微笑みの宝物を
彼女はそれを枝から吊るす
近くの柳の木の枝に
けれどあまりに弱い小枝はしなり
折れる、哀れなオフィーリアは
水にはまる、彼女の花輪を手に

しばらくはドレスが膨らみ
流れの上に彼女を浮かべていた
膨れた船の帆のように
彼女は浮かび ずっと歌っていた
歌っていた 何曲かの古いバラードを
まるでひとりのナイアード
この小川で生まれた妖精のように

だがこの不思議なメロディも
音のようにすばやく過ぎてゆく
波を受けてドレスは重くなり
やがて深い淵へと
この哀れな狂女を引きずり込んだ
ただ今始めたばかりの
彼女のメロディアスな歌を残して


シェイクスピアの「ハムレット」、悲劇のヒロイン、オフィーリアの死のシーンですが、シェイクスピアの戯曲のオリジナルではなく、そこからインスパイアされた独自の詩です。この詩にベルリオーズがつけたものが良く知られておりますが、サン=サーンスにもなかなかに美しいピアノ伴奏の歌曲を書いておりますので取り上げてみることにします。ゆったりと淡々とした描写のベルリオーズのものと比べると、こちらはせわしないスピードで不安におののきながら駆け抜けて行きます。それぞれに美質がありますが、この詩の悲劇的な側面を強調した点ではサン=サーンスのものの方が説得力はあるでしょうか。

( 2016.02.20 藤井宏行 )


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