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Pesenka Ofelii   Op.32  
  Gamlet
オフィーリアの歌  
     劇音楽 ハムレット

詩: マルシャーク (Samuil Yakovlevich Marshak,1887-1964) ロシア
      To-morrow is Saint Valentine's day 原詩: William Shakespeare シェイクスピア,Hamlet (ハムレット)

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Zautra Valentinov den’,
I s utrennim luchom
Ja Valentinoju tvoej
Zhdu pod tvoim oknom.

On vstal na zov,byl vmig gotov,
Zatvory s dveri snjal;
Vpuskal k sebe on devu v dom,
Ne devu otpuskal

Kljanus’ Khristom,svjatym krestom.
Pozor i sram,beda!
U vsekh muzhchin konets odin;
Il’ net u nikh styda?

Ved’ty menja,poka ne smjal,
Khotel zhenoj nazvat’!”
On otvechaet:
“I bylo b tak,srazi nas vrag,
Ne ljag ty ko mne v krovat’

明日の朝はバレンタインデー
だから朝の光と一緒に
あたしはあんたのバレンタインになるのよ
あたし 待ってるわ あんたの窓辺で

彼は呼び声に飛び起きて 急いで準備して
ドアのかんぬきを閉めたの
家の中に入れたのは処女だったけど
処女のままでは出しては貰えない

キリストさま 聖なる十字架さま
恥だわ 不名誉だわ トラブルだわ!
男って結局こうなのかしら
恥を知らないのかしら?

あんた言ったじゃないの 転ばす前に
あたしを女房にしてくれるって
彼は答えたわ
そうなってただろうけどな 
ベッドに横たわってるおめえを見てなけりゃ


1932年、あの問題作のオペラ「ムツェンスクのマクベス夫人」などを書いて、まだ十分に尖がっていたショスタコーヴィチは、演出家アキーモフのプロデュースしたかなり鮮烈な読み替えをした「ハムレット」の舞台の劇音楽を書きます。およそ悲劇とは思えないような激烈な音楽がとても面白いのですが、ここでの悲劇のヒロイン・オフィーリアの設定もあばずれの飲んだくれ、最後も酔っ払って水に落ちておぼれ死ぬというもの。彼女が狂気に駆られて歌うこの有名なヴァレンタインの歌も賑々しいカンカンのあと、まるで場末のキャバレーで歌われる古びた流行歌のような雰囲気。ぶっ飛んだ歌詞と全く違和感のない音楽が出来上がりました。
ロシア語の訳は、ちょっと疑問が残りますが、Delosのショスタコーヴィチ歌曲全集の記載に従いマルシャークということに致します。彼は1965年の没ですので詩の著作権は切れているものと判断し、原詩とそこからの訳を掲載致します。

( 2016.02.13 藤井宏行 )


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