Totengräberlied Op.9-1 Gesammelte Lieder,Gesänge,Romanzen und Balladen |
墓堀人夫の歌 集められた歌曲・歌・バラードとロマンス Heft 2 |
Erster Totengräber: In meiner Jugend als ich liebte, wie dünkte mich das so süß! Und wie vielerlei ich sonst verübte, nichts dünkt mich schön wie dies! Hamlet: Hat dieser Bursche kein Gefühl von seinem Geschäft? Er singt,indem er ein Grab gräbt. Horatio: Gewohnheit hat gemacht, daß es zu seinem Wohlsein gehört. Hamlet: So ist's freilich. Die Hand,die am wenigsten tut, hat die zarteste Empfindung. Erster Totengräber: Doch Alter mit dem Diebesschritt packt mich mit seiner Faust und hat mich aus dem Land geschifft, als hätt' ich dort ni gehaust. Hamlet: Ja,ja,und nun ohne Fleisch, und mit dem Spaten eines Totengräbers um die Kinnbacken geschlagen! Die meinigen tun mir wehe,wenn ich daran denke. Erster Totengräber: Die Hacke und der Spaten, dann ein Leichenhemd dazu und,o,ein Loch von Lehm geht an für einen Gast wie Du. Hamlet: Wessen Grab ist das,Mensch? Erster Totengräber: Mein's,Herr! Nicht das,meines Kameraden Und o,ein Loch von Lehm steht an so einem Gast wie Du! |
<最初の墓堀人>: 若い頃にゃあ 俺も恋をしたさ 俺にゃあ思えた とってもイイもんだと いろんな他のこともやってみたけどよお 何にもなかったさ これ以上楽しいことは <ハムレット>: あの男 自分の仕事に何の感情も持たぬのか? 歌っているぞ 墓を掘りながら <ホレイショ>: 慣れがそうさせているのでしょう それが彼の幸福の一つかと <ハムレット>: そういうことかな 使わない方の手ほど より繊細な感覚があるものだしな <最初の墓堀人>: だが歳は 泥棒の足取りで 俺を拳で捕まえやがって 俺をこの国から追い払いやがる まるでここには居たことがなかったみてえに <ハムレット>: そうだ そうだ 今や肉もなく そして墓掘人の鋤で 顎を砕かれているぞ! 自分の骨が痛むようだぞ そのことを考えるだけで <最初の墓堀人>: つるはしと鋤と それから経帷子と そしてまた粘土の穴で 入り主を待ってんだよ お前さんみたいな! <ハムレット>: これは誰の墓だね 君? <最初の墓堀人>: 俺のだよ 旦那! 俺の仲間のじゃねえ そしてまた粘土の穴で 入り主を待ってんだよ あんたみたいなな! |
ドイツ語の訳者は不明のようですが、これはシェイクスピアの戯曲「ハムレット」 第5幕第1場、水に落ちて死んだオフィーリアを埋葬するために墓を掘っている二人の人夫をハムレットとホレイショが眺めている場面です。3人の登場人物がこの曲でも出て参りますが、歌うのは墓掘り人だけで、他の2人は彼の歌の間で会話をするだけです。
それだけでも贅沢な作りですし、歌もとてもシンプルなのでインパクトに欠けるところもあり、なかなか演奏の機会には恵まれません。面白い試みの歌ではあるのですけれども。
( 2016.02.11 藤井宏行 )