Horatios Monolog |
ホレイショのモノローグ |
Und laß der Welt,die noch nicht weiß, mich sagen,wie alles das geschah, so sollt ihr hören von Taten blutig unnatürlich zufälliger Gerichten blinden Mord und Toten durch Gewalt und List bewirkt und Planen,die zurück gefallen auf der Erfinder Haupt. Alles das kann ich mit Wahrheit melden. |
されば まだ知らぬ世界に聞かせましょう 私が語るのを 起こったことのすべてを こうしてあなた方は聞かねばならぬのです 流血の行いを 不自然な偶然の裁きを 盲目の殺人と死 力と狡猾さによってもたらされたものを それから奸計を それは報いとなって戻りました 計略を仕掛けた者の上に すべてを私は真実として伝えられましょう |
1942年、アイスラーがアメリカに亡命中の作品です。詞はシェイクスピアの戯曲「ハムレット」大詰め、主人公たちが皆死んで、残ったハムレットの親友ホレイショのもとにノルウェーの王子フォーテンブラスらがやって来たときに、ホレイショがハムレットの遺言通りにこれまで起こったことを後世に語り伝えようと決意を表明する台詞です。シェイクスピアの原詩をシュレーゲルが独訳したものに曲をつけています。
1942年という時代背景を考えると、アイスラーがこれを取り上げたのは明らかに祖国ドイツの惨状の告発のためでしょう。まだナチスドイツは命脈を保っていた時期ですがやがて天の鉄槌が下るであろうという望みを語っているかのようです。前奏もなくいきなり語りのように重々しく歌い始められ、吐き捨てるような怒りに盛り上がって終わります。
( 2016.02.07 藤井宏行 )