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Pour un baiser    
 
くちづけのために  
    

詩: ドンシュー (George Doncieux,1856-1903) フランス
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: フランス語


Pour un baiser sur ta peau parfumée,
pour un baiser dans l'or de tes cheveux
reçois mon âme toute,ô bien-aimée!
Tu comblerais l'infini de mes voeux...
Par un baiser!

Pour un baiser distillé dans tes lèvres,
profond,tenace et lent comme un adieu,
souffrir le mal d'amour,et de ses fiévres brûler,
languir et mourir peu à peu...
dans un baiser!

一度のくちづけで あなたの香しい肌への
一度のくちづけで 金色のあなたの髪への
受け取ってください 私のすべての魂を 愛する人よ!
あなたは満たしてくれるでしょう 限りない私の願いを...
一度のくちづけで!

一度のくちづけで あなたのくちびるに注がれる
深く しつこく ゆったりとした まるで別れのようなくちづけで
恋の痛みに苦しみ 恋の熱に燃え
悩み 死んでいくのです 少しずつ...
くちづけのうちに!

ジョルジュ・ドンシュー(George Doncieux (1856 - 1903))というフランスの民衆詩の研究家の仏語詞による歌。他愛もないラブソングですが作曲当時から人気が高かったようで、あの大テノール、カルーソーの愛唱曲でもあったようです(1909年の録音が残っています)。他にもリチャード・タウバーのものや、カルーソーをトリビュートしたマリオ・ランツァの歌など、往年の録音をたくさん聴くことができました。それら古い歌声はテンポをゆったりととって纏綿たる愛情を訴えるものとしていますが、最近の録音は速めのテンポで淡々と歌われることが多いようです。
今聴きながらこのコメントを書いているカレーラスのものはソプラノのフリットリとのデュオ曲にしています。ちょっと邪道ではありますが、弦楽とピアノに編曲された伴奏共々魅力的なスタイルに化けています。

( 2016.01.31 藤井宏行 )


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