I dare to love thee |
私はあなたを愛するのだ |
As the billow flings shells on the shore, As the sun poureth light on the sea... As a lark on the wing scatters song to the spring, So rushes my love to thee, As the ivy clings close to the tower, As the dew lieth deep in a flower, As the shadow to light,as the day unto night, So clings my wild soul to thee! As the moon glitters coldly alone, Above earth on her cloud-woven throne, As the rocky-bound cave repulses a wave, So thy anger repulses me. As the bitter black frost of a night Slays the roses with pitiless might, As a sharp dagger-thrust hurls a king to the dust, So thy cruelty murdereth me. Yet in spite of thy queenly disdain, Thou art seared by my passion and pain Thou shalt hear me repeat, Till I die for it sweet! I love thee! I love thee! I love thee! I dare to love thee! To love... |
大波が岸辺に貝殻を打ちつけるように、 太陽が海に光を降り注ぐように... ヒバリが翼広げて 歌を春に振りまくように 押し寄せるのだ 私の愛はあなたへと ツタが塔にしっかりと絡みつくように 露が花の奥深くに横たわるように 影が光に 昼が夜に纏いつくように 纏わり付くのだ この熱い魂はあなたに 月が冷たくひとりぼっちで光っているように 大地の上の雲が織りなす玉座の上で 岩で囲まれた洞窟が波を跳ね返すように あなたの怒りは私を撥ねつける 夜の凍てつく暗い霜が バラを枯らすように 容赦ない力で 鋭い剣の一撃が 王さえも塵としてしまうように あなたの残酷さが私を死なせてしまう けれどあなたの女王様のような軽蔑にも あなたは焼き尽くされるのだ 私の情熱と苦悩に あなたは聞くだろう 私が繰り返すのを その甘美さのあまりに死んでしまうまで 愛してる!愛してる!愛してる!と 私はあなたを愛するのだ! 愛するのだ... |
これもトスティ演奏ではレアな英語の歌。詩人は19世紀後半にイギリスで活躍した女流作家なのだそうです。この詩は彼女の処女作「二つの世界のロマンス(A Romance of Two Worlds 1886)」の中でロシアの皇太子イヴァンが歌う設定で書かれたものなのだそうです。この歌、ヘップナーのトスティ歌曲集でしか聴けていないのですが、彼の流麗な英語の発声もあるのでしょう。1920年代のアメリカのポピュラーソングのように聴こえてあまりトスティらしくありません。意外な掘り出し物と言えないこともなく、とても面白く聴けました。
( 2016.01.24 藤井宏行 )