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詩: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ
      

曲: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ   歌詞言語: 英語


A. Very Pleasant

 We're sitting in the opera house;
 We're waiting for the curtain to arise
 With wonders for our eyes;
 We're feeling pretty gay,
 And well we may,
 “O,Jimmy,look!” I say,
 “The band is tuning up
 And soon will start to play.”
 We whistle and we hum,
 Beat time with the drum.

 We're sitting in the opera house;
 We're waiting for the curtain to arise
 With wonders for our eyes,
 A feeling of expectancy,
 A certain kind of ecstasy,
 Expectancy and ecstasy...
  Sh's's's.

 Curtain!


B. Rather Sad

 From the street a strain on my ear doth fall,
 A tune as threadbare as that “old red shawl,”
 It is tattered,it is torn,
 It shows signs of being worn,
 It's the tune my Uncle hummed from early morn,
 'Twas a common little thing and kind 'a sweet,
 But 'twas sad and seemed to slow up both his feet;
 I can see him shuffling down
 To the barn or to the town,
 A humming.

A とても陽気に

 私たちはオペラハウスで座ってる
 待っているんだ 幕が上がって
 私たちの目をびっくりさせてくれるのを
 私たちはかなり陽気だ
 それも無理もない.
 「おお ジミー 見て!」私は言う
 「バンドが音合わせしてる
  すぐに演奏が始まるよ」と
 私たちは口笛吹き ハミングする
 拍子を取る ドラムに合わせて

 私たちはオペラハウスで座ってる
 待っているんだ 幕が上がって
 私たちの目をびっくりさせてくれるのを
 わくわくする感じ
 ある種のエクスタシー
 わくわく感とエクスタシー…
  シーッ

  幕開きだ!


B かなり悲しく

 通りからとある節が私の耳に聞こえてくる
 その節は相当の懐メロだ「古い赤いショール」みたいな
 ボロボロで 擦り切れて
 すっかり使い古されたみたいだ
 それは私の伯父さんがハミングしてた曲だ 朝早くから
 ありきたりのちょっとした節で ちょっと甘ったるく
 だけど悲しくて 彼の足の動きを鈍らせてるようだ
 私には見える 彼が脚を引きずって歩いて行くのを
 納屋だか 町だかに
 ハミングしながら…


とても変化に富んでエンターテイメント性抜群な上にメロディが奇麗なので、アイヴズの歌曲の中では大変よく取り上げられる歌です。二部構成になっていて最初のA とても陽気に は英語の早口が小気味よく飛び跳ね、途中口笛まで入ってゴキゲンこの上ない歌。最後の「カーテン!」は歌手自身が叫ぶこともありますが、ピアノ伴奏者が叫ぶことも多く(Youtubeの動画では譜めくりのアシスタントが叫んでるのもありました)、一転して2曲目の「かなり悲しく」はノスタルジックにゆったりと。とても耳に優しいメロディなので、ここで言及されている「old red shawl」という曲の引用かなとも勘ぐったのですが突き止められず。もしアイヴズのオリジナルであれば彼もなかなかのメロディメーカーです。
最後をこちらはハミングで締めて、余韻を残して終わります。

( 2016.01.18 藤井宏行 )


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