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Lamento d'amore    
 
愛の嘆き  
    

詩: パリアーラ (Rocco Emanuele Pagliara,1856-1914) イタリア
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Perché ti deggio amar d'amor sì santo,
Se tu non m'ami dell'istesso amor?
Forse il destin che mi dannava al pianto,
Come croce l'impose a questo cor.

Ma forse il dì verrà che m'amerai
Pentita di mostrarti a me crudel;
Ma sarà tardi,e invan mi chiamerai,
Ché sceso sarò già nel freddo avel.

E allora che una mesta e pia preghiera
Dal labbro tuo farai a Dio salir,
Sovra l'ali dell'aure della sera
Alla mia tomba manda un tuo sospir.

E se sull'imbrunire in veste nera
Visiterai de' morti la città,
Vedrai sulla mia fossa errar leggera
Una fiammella che ti seguirà.

Sarà l'ultimo fremito d'amore
Che il cener mio per te risentirà;
Della fiammella il tremulo bagliore
Come e quanto t'amai ti narrerà.

なぜ君を愛さなくてはならないんだ こんなに献身的な愛情で
君がぼくを愛してくれないのに ぼくが愛するのと同じ程には?
きっと運命はぼくに涙の罰を下そうとして
まるで十字架のように ぼくの心にそうすることを科したのだ

だけど来るかもしれない もしかして君がぼくを愛してくれる日が
後悔して ぼくに残酷なところを見せたことを
だけどもう手遅れなんだ 無駄なことさ ぼくを呼んだって
だってぼくはその時冷たいお墓の中にいるんだから

その時には 悲しい敬虔な祈りを
君の唇から神さまのもとへと 君は届けてくれるだろう
夕暮れの大気の翼に乗せて
ぼくのお墓の上に届けてくれるだろう 君のため息を

もしも夕暮れに 黒い服で
訪ねてくれるなら 死者の街を
君は見るだろう ぼくのお墓の上にさまよう光を
炎なのさ 君を追いかける

それは愛の最後のきらめきなんだ
君のせいで苦しんで来たぼくの遺灰が
その炎のちらつく輝きは
どれほど どれほどぼくが君を愛したかを君に告げてるんだ


なかなか辛気臭い、いじけ切った愛の嘆きです。イタリア歌曲にはよくあるパターンの歌詞ですのでしんねりむっつりした暗い音楽がついているかと思いきや、トスティはこれに飄々とした舟歌のようなメロディを付けました。まるでゴンドラの船乗りが舟を漕ぎながら朗々と歌っているような心地よさがこの歌の身上です。イタリアの朗々たるテナーで一度聴いてみたいと思っているのですが、まだそれは果たせておりません。

( 2016.01.14 藤井宏行 )


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