TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Sweet-and-Twenty     
 
甘く 何度も  
    

詩: シェイクスピア (William Shakespeare,1564-1616) イングランド
    Twelfth Night (十二夜) Act.2 Scene.3 O mistress mine

曲: ウォーロック (Peter Warlock,1894-1930) イギリス   歌詞言語: 英語


O mistress mine,where are you roaming?
O stay and hear! your true-love's coming
That can sing both high and low;
Trip no further,pretty sweeting,
Journey's end in lovers' meeting?
Every wise man's son doth know.

What is love? 'tis not hereafter;
Present mirth hath present laughter;
What's to come is still unsure:
In delay there lies no plenty,?
Then come kiss me,Sweet and twenty,
Youth's a stuff will not endure.

ねえ、僕の恋人、どこへ行くんだ
待って、聴いて、せっかく僕が来たんだから
高い声でも低い声でも歌ならお手の物
もうどこへも行かないで、かわいい人
旅の終わりは恋人たちの出会いだと、
賢い人はみんな知っているのだから

恋って何だい? 今この時だけのもの
今の笑顔が今の喜び
明日は誰にも分からないのだから
ぐずぐずしていちゃ何もできない
だからキスしておくれ、甘く、何度も
若い時はただ一度、長くは続かないのさ

シェイクスピアの喜劇「十二夜」で道化師のフェステが第2幕第3場で歌う「O Mistress Mine」、個人的にはそれほど素晴らしい詩とも思わないのですが、英語圏の作曲家はこの詩を愛するのか、たいていの人が取り上げて美しい歌曲にしています。このサイトでもサマヴェル、フィンジ、クィルターのものを今まで取り上げましたので続いてはこのウォーロックのものを。タイトルが第2節にある「Sweet-and-Twenty」であることからもお分かりのように、この詩の陶酔的な愛の思いにスポットを当てて、ひたすら甘く甘くメロディを紡ぎます。あまり歌われることが多くないのがもったいない佳曲ですが、Naxosにあるウォーロック歌曲集の録音でエイドリアン・トンプソンの甘く切ないテナーの陶酔的な演奏を聴くことができました。

( 2016.01.10 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ