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Puisqu'ici-bas toute âme   Op.17  
  6 Mélodies
この世ではどんな魂も  
     6つのメロディー

詩: ユゴー (Vicomte Victor Marie Hugo,1802-1885) フランス
    Les voix intérieures 11 Puisqu'ici?bas toute âme

曲: ラロ (Edouard Lalo,1823-1892) フランス   歌詞言語: フランス語


Puisqu'ici-bas toute âme
Donne à quelqu'un
Sa musique,sa flamme,
Ou son parfum;

Reçois mes voeux sans nombre,
O mes amours!
Reçois la flamme ou l'ombre
De tous mes jours!

Je te donne,à cette heure,
Penché sur toi,
La chose la meilleure
Que j'ai en moi!

Mon esprit qui sans voile
Vogue au hazard,
Et qui n'a pour étoile
Que ton regard!

Reçois donc ma pensée,
Triste d'ailleurs,
Qui,comme une rosée,
T'arrive en pleurs!

Mes transports pleins d'ivresses,
Pur de soupçons,
Et toutes les caresses
De mes chansons!

この世ではすべての魂が
誰かに与えるのだから
自分の音楽を 自分の輝きを
そして自分の香りを

受け取って 数限りないぼくの願いを
おおぼくの恋する人よ!
受け取って 炎や影を
ぼくの日々のすべての!

ぼくも君に与えよう 今このときに
君にもたれかかって
一番素晴らしいものを
このぼくの中にある

この精神、帆を持たずに
流れのままに漂い
そして導きの星には
君の瞳しかない精神を!

だから受け取って ぼくの思いを
それは悲しいものだけれど
それは朝露のように
君に届くのだ 涙となって

喜びにあふれたぼくの熱情を
この疑いの晴れたものを
そしてあらゆる愛撫を
このぼくの歌の


フォーレのデュエット曲が有名ですが、同じ詩にはサン・サーンスやアーンも曲をつけています。原詩が12節と少々長くてしつこいので、各人各様に節をセレクトして短くしておりますが、このラロのものは一番大胆な処理でしょう。冒頭第1節に続いては、8→6→10→7→9と並べ替えているのです。その結果前の節との係り結びが原詩と全く変わってしまい、詩の雰囲気もだいぶ変わりました。同じ節を全部取り上げていますが原詩順に並んでいるサン・サーンスのものと見比べてみて頂くと良いのではないかと思います。
詩だけでなく曲想も、さわやかな明るい系が多いのに対し、このラロの曲は暗く沈んで恋する悩みや不安の側面が強く出たものになっていてかなり雰囲気が違います。ラロの歌曲としては地味な方でしょうか。けっこう取り上げられることはあるようですけれども。

( 2015.12.27 藤井宏行 )


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