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The fiddler of Dooney    
 
ドゥーニーのヴァイオリン弾き  
    

詩: イエイツ (William Butler Yeats,1865-1939) アイルランド
    The wind among the reeds  The fiddler of Dooney

曲: ガーニー (Ivor Gurney,1890-1937) イギリス   歌詞言語: 英語


When I play on my fiddle in Dooney,
Folk dance like a wave of the sea;
My cousin is priest in Kilvarnet,
My brother in Mocharabuiee.

I passed my brother and cousin:
They read in their books of prayer;
I read in my book of songs
I bought at the Sligo fair.

When we come at the end of time
To Peter sitting in state,
He will smile on the three old spirits,
But call me first through the gate;

For the good are always the merry,
Save by an evil chance,
And the merry love the fiddle,
And the merry love to dance:

And when the folk there spy me,
They will all come up to me,
With “Here is the fiddler of Dooney!”
And dance like a wave of the sea.

おいらがドゥーニーで私ヴァイオリンを弾くときは
海の波みたいなフォークダンスを
おいらのいとこはキルバーネットの神父で
おいらの兄貴はモハラビューイーの神父なのさ

おいらが兄貴やいとこのところを通ったら
二人ともお祈りの本を読んでた
おいらが読むのは歌の本
スライゴの市場で買った本さ

この世の終わりがやって来て
裁きを待つペテロさまと会ったら
あの方はほほ笑むだろう 懐かしいこの三人の魂に
でもおいらに最初に声をかけるんだ 門を通るようにと

だって善人はいつでも陽気なんだから
よっぽどひどいことがない限りは
そして陽気な連中はヴァイオリンが好きで
そして陽気な連中は踊るのが好きなんだから

そしてみんなはあそこでおいらを見て
みんなおいらのところに寄って来るのさ
「ドゥーニーのヴァイオリン弾きが来たぞ!」ってね
そして海の波みたいに踊るんだ


ガーニーのたくさんあるイエイツの詩に付けた歌曲のひとつ。詩はイエイツの中でも良く知られたものです。彼の幼少時代を過ごした地スライゴの陽気なヴァイオリン弾きの歌う楽しい歌。天国に行っても神父をしている兄弟よりも先に迎え入れて貰えるだろう だって音楽と踊りでみんなを陽気にしてきたんだから、と(アイルランドはカトリックが主流なのでここでは「神父」としました。イエイツ自身はプロテスタントの家系だったようですけれども。
ガーニーの音楽は愉快なメロディーながらイギリスの歌曲らしい品の良さもあって、押しは強くないですがさわやかな歌です。Naxosにあるガーニー歌曲集でのスーザン・ビックリーのメゾソプラノによる端正な歌、Chandosのバターワース/ガーニー歌曲集における貫録とほのかなユーモアをたたえたバリトンのベンジャミン・ラクソンの歌などが録音では聴けます。

( 2015.12.11 藤井宏行 )


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