Willie My Brave |
ウィリー 私の勇敢なひと |
On the lonely seabeat shore A maiden fair was weeping, Calling one who far away Beneath the wave was sleeping. Thus her sad unchanging strain Floated ever on the main Come o'er the billow, Ride the wave, Come while the wind bloweth, Willie my brave! He said his bark would soon return, And with a kiss they parted; But when a year had passed away, She then grew weary hearted Oh! 'twas sad,from day to day, To hear the maiden's plaintive lay Come o'er the billow, Ride on the wave, Come while the wind bloweth, Willie my brave! None who knew the maiden's grief, And saw her heart's devotion Would tell her of the fragile bark That sank beneath the ocean; But when all hope had passed away, Her life breathed forth its parting lay Come o'er the billow, Ride on the wave, Come while the wind bloweth, Willie my brave! |
寂しい波打ち際の岸辺に 美しい乙女がすすり泣いていた 呼んでいた 遠くへ行ってしまった人を 波が眠っている下に そして彼女の悲しい変わらぬ歌声は 大海原の上を漂っていた 来て 大波を越えて 波に乗って 来て 風が吹く中を 私の勇敢なウィリー! 彼は言ったのだ 彼の小舟はすぐに戻ってくると そしてキスして 彼らは別れた だがそれから一年が過ぎて 彼女はすっかり 心やつれ果ててしまった ああ!悲しいことだ 来る日も来る日も 乙女の嘆きの歌声を聞くのは 来て 大波を越えて 波に乗って 来て 風が吹く中を 私の勇敢なウィリー! 乙女の悲しみを知る者は誰も そして彼女の心の献身を見た者は 彼女には言えないだろう あの脆い小舟は 海の下に沈んでしまったのだとは だが すべての希望が消え去った時に 彼女の命は吐き出したのだ 別れの歌を 来て 大波を越えて 波に乗って 来て 風が吹く中を 私の勇敢なウィリー! |
ウィリーという名前はフォスターの歌によく出てきますが、この曲のようにあまり良い運命に恵まれない登場人物です。ここでフォスターが書いた詞は海に沈んだひとりの若者のレクイエムのようですが、音楽はそれほど暗く沈むことはなくしみじみとしてなかなか美しいものです。今やほとんど取り上げられることはないようですが、歌い継がれても悪くないフォスターの佳作だと思いました。
( 2015.12.01 藤井宏行 )