TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Think no more,Lad    
  A Shropshire Lad
思い悩むな、若者よ  
     シュロップシャーの若者

詩: ハウスマン (Alfred Edward Housman,1859-1936) イングランド
    A Shropshire Lad 49 Think no more,Lad

曲: バターワース (George Sainton Kaye Butterworth,1885-1916) イギリス   歌詞言語: 英語


Think no more,lad; laugh,be jolly;
Why should men make haste to die?
Empty heads and tongues a-talking
Make the rough road easy walking,
And the feather pate of folly
Bears the falling sky.

Oh,'tis jesting,dancing,drinking
Spins the heavy world around.
If young hearts were not so clever,
Oh,they would be young for ever;
Think no more; 'tis only thinking
Lays lads underground.

思い悩むな、若者よ。笑い、朗らかに。
なぜ年老いて死に急ぐ必要があるのか?
頭を空っぽにして舌を滑らかにお喋りすれば
険しい道も気楽に歩ける。
馬鹿げたことばかり考える軽い頭が
落ちてくる空を支えているんだから

おお、悪ふざけやダンスや酒盛りが
厳しい世の中を明るくする
若者の心がもしそんな風にお気楽だったなら
世界はずっと若々しいままだったのに
思い悩むな、悩むことだけが
若者を落ち込ませる重石なのだから


1916年、わずか31歳の若さで戦死したイギリスの作曲家バターワースは、その数少ない作品にも関わらず、日本でもよく知られた作曲家のように思います。
彼の歌曲もまた他のイギリスの作曲家同様、民謡のような懐かしさを感じさせる分かりやすいものなのでファンは多いでしょう。他の人との大きな違いは、ひたすら素朴なメロディと伴奏にあるのではないかと私は感じています。
ここまでストレートにイギリス民謡を感じさせる近代イギリス歌曲はなかなかないでしょう。その中でも代表作はこの6曲からなる「シュロップシャーの若者」だと思います。この曲、イギリスの主な男声歌手はほとんど皆録音しているように思えますし、管弦楽伴奏版などもあってイギリス歌曲の中でも比較的聴けるチャンスの多い曲でしょう。

歌は「若者」とありますが、詩も音楽も、歳を取った人が若き日を懐かしみ、若い人に訥々と語りかけているような味に満ちています。こんな深みのある音楽が、わずか27歳の音楽家によって書かれたということには驚かされます。
中で一番気楽で元気の良いこの曲が私は気に入っています。行進曲調の力強いメロディで「Think no More, Lad; Laugh, be jolly:」と励まされると(もう私も若者ではないが)とても元気が出ます。ハウスマンの詩集ではこの詩は49番目の詩になります。
私の持っているCD、ベンジャミン・ラクソンはこの歌をほとんど怒鳴りつけるように歌っていて、それがまた詩にぴったりで良いです(London)。
この歌曲集、それに留まらず多彩な雰囲気の曲が次々出てきてとても面白いです。
まだ聴かれたことのない方はぜひお試しください。

( 1999.11.01 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ