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Exaucement   Op.106  
  Le jardin clos
かなえられる願い  
     閉ざされた庭

詩: ヴァン・レルベルグ (Charles van Lerberghe,1861-1907) ベルギー
    Entrevisions - 3. Sous le portique  Exaucement

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Alors qu'en tes mains de lumière
Tu poses ton front défaillant,
Que mon amour en ta prière
Vienne comme un exaucement.

Alors que la parole expire
Sur ta lèvre qui tremble encor,
Et s'adoucit en un sourire
De roses en des rayons d'or ;

Que ton âme calme et muette,
Fée endormie au jardin clos,
En sa douce volonté faite
Trouve la joie et le repos.

光輝くあなたの両手の上に
あなたが そのやつれた額を載せている時
私の愛が あなたの祈りの中に
届きますように 満たされた願いのように

言葉が消える時
まだ震えているあなたの唇から
和らぎますように その笑顔が
バラのように 金色の光の中で

あなたの魂が 穏やかに黙し
まどろむ妖精のように 閉ざされた庭の中で
その優しい意志のうちに
喜びと安らぎを見出せますように


大作「イヴの歌」を仕上げた4年後の1914年、同じレルベルグの詩8篇にフォーレはメロディをつけ歌曲集としています。歌曲集のタイトルはこの1曲目の詩の一節を取っていますね。晩年の作らしく非常に渋い音楽ですが、ほのかな艶めかしさもあって聴き込めば聴き込むほどに味のある歌曲集です。
第1曲目のタイトルExaucementは宗教用語で、祈りが神さまに聞き届けられることを言うのだそうですが、ここでは秘めた恋心をつぶやいているようですね。淡々と流れるメロディの中にふつふつと滾る熱も感じられてなかなか印象的です。この歌曲集、男女どちらでも歌われる曲ですが、第1曲目は詩も音楽も男声向きですね。カミーユ・モラーヌのバリトンによる名唱が素晴らしかったです。

( 2015.11.18 藤井宏行 )


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