TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Peterburgskaja pesenka    
  Peterburg
ペテルブルグの歌  
     ペテルブルク

詩: ブローク (Aleksandr Aleksandrovich Blok,1880-1921) ロシア
      Петербургская песенка

曲: スヴィリードフ (Georgi Vasilievich Sviridov,1915-1998) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Khozhu,brozhu ponuryj,
Odin v svoej nore.
Pridet sharmanshchik khmuryj,
Zaplachet na dvore.

O toj svobodnoj dole,
Chto mne ne suzhdena,
O tom,chto veter v pole
I na dvore vesna.

A mne kakoe delo?
Brozhu odin,zabyt.
I svechka dogorela,
I majatnik stuchit.

Odna,odna nadezhda
Von tam,v ee okne.
Svetla ee odezhda,
Ona pridet ko mne.

Litso moe belee,
Chem belaja stena...
Opjat’,opjat’ srobeju,
Kogda pridet ona...

Zachem ona prikhodit
So mnoju govorit’?
Zachem v iglu provodit
Veselen’kuju nit’?

Zachem ona ronjaet
Veselye slova?
Zachem litso sklonjaet
I prjachet v kruzheva?

Ved’ nechego bojat’sja,
I nechego terjat’...
No nado li skazat’sja?
No mozhno li skazat’?

I chto ej molvit’ -- nezhnoj?
Chto serdtse rastsvelo?
Chto veter veet snezhnyj?
Chto v komnate svetlo?

私は歩く 打ちひしがれてさまよう
ただひとり この隠れ家の中を
そこには手回しオルガンがやってきて
庭で嘆きを歌うのだろう

自由な人生を
私は送ることができないのだ
野の風のような
そして庭の春のような

それが何だ?
私は一人さまよう 途方に暮れて
ロウソクは燃え尽きた
そして振り子は揺れている

唯一の 唯一の希望は
あそこの 窓の中なのだ
明るい色の服を着て
彼女は私に逢いに来る

私の顔は白い
白壁よりもずっと...
再び 再び 怖気づくのだ
彼女がやって来る時は...

なぜ彼女は来たのだろう
私と話をしに?
どうして針穴に通したのだろう
陽気な糸を?

なぜ彼女は発したのだろう
愉快な言葉を?
なぜ俯いたのだろう
レースの中に顔を隠すように?

恐れることは何もないのだ
そして失うものは何も...
私は告白すべきなのだろうか?
すべてを告げられるのだろうか?

何が言えるのだ - あの優しい人に?
この心が花開いたことか?
風が雪を吹きつけることか?
光が部屋に満ちたことか?


この歌曲集のタイトルにもなった「ペテルブルク」の歌ですが、特にこのロシアの大都会との関係があるわけでもなく、なんとなく不安に揺らぐ恋心を不思議にたゆたうワルツにして紡ぎ出しています。前奏や間奏できらめくピアノの高音と掛け合うバリトンのしっとりした歌がことのほか見事。私はこの歌曲集の中でこの曲に一番鮮烈な印象を受けました。

( 2015.11.18 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ