子守謡 (中国地方民謡) |
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ねんねこしやつしやりませ 寝た児の可愛さ 起きて泣く児の ねんころろ、 面憎さ。 ねんころゝん ねんころゝん。 ねんねこしやつしやりませ 今日は二十五日さ 明日はこの児の ねんころろ、 宮詣り。 ねんころゝん ねんころゝん。 宮へ詣つたとき なんと云ふて 拝むさ 一生この児の ねんころろ、 まめなやうに。 ねんころゝん ねんころゝん。 |
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「中国地方の子守唄」という無粋な題名で呼ばれることも良くありますが、これは耕筰がつけた題名ではないようです。もともとは岡山県井原市に伝わるものを、当地出身の声楽家・上野耐之(1901-2001)の記憶から耕筰が採譜し、編曲したものなのだそうです。こんな感じの子守唄はもちろん日本全国にあったわけですが、耕筰の手になる見事な編曲もあって今や並み居る子守唄の中でも屈指の有名な歌となりました。また耕筰の結構な数がある民謡・古謡の編曲の中にあっても一番良く知られ、歌われる曲となっているような気がいたします。
( 2015.11.04 藤井宏行 )