あわて床屋 童謡百曲集 第3巻 |
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春は早うから川辺の葦に、 蟹が店出し床屋でござる。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 小蟹ぶつぶつ石鹸(しやぼん)を溶かし、 親爺自慢で鋏を鳴らす。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 そこへ兎がお客にござる。 どうぞ急いで髪刈っておくれ。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 兎ァ気がせく、蟹ァ慌てるし、 早く早くと客ァ詰めこむし。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 邪魔なお耳はぴよこぴよこするし、 そこで慌ててチヨンと切りおとす。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 兎ァ怒るし、蟹ァ恥よかくし、 爲方(しかた)なくなく穴へと逃げる。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 爲方なくなく穴へと逃げる。 チヨツキン、チヨツキン、チヨツキンナ。 |
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童謡百曲集 第3巻
( 2015.10.23 藤井宏行 )