犬のお芝居 |
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ちやつぽんちやつぽん、ちやつぽんぽん。 ちちんがちりちり、ちやつぽんぽん。 小犬がひよこひよこ立って出た、 緋染の手拭、頬かむり。 ちやつぽんちやつぽん、ちやつぽんぽん。 ちちんがちりちり、ちやつぽんぽん。 それそれお手々で梶よ取つた、 茶縞のおべべも尻からげ。 ちやつぽんちやつぽん、ちやつぽんぽん。 ちちんがちりちり、ちやつぽんぽん。 小熊もぞろぞろ蹤(つ)いて出た、 へらへらへつたら、へらへらへ。 ちやつぽんちやつぽん、ちやつぽんぽん。 ちちんがちりちり、ちやつぽんぽん。 お猿も横から一寸(ちよい)と覗く、 十五夜お月様、幕の上。 ちやつぽんちやつぽん、ちやつぽんぽん。 ちちんがちりちり、ちやつぽんぽん。 それそれ、いつしょに、へらへらへ、 へらへらへつたら、夜が更けた |
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1922年出版の山田耕筰童謡集に掲載されていた作品です。白秋の詩の発表が1919年の「赤い鳥」誌上だったので、作曲されたのはそれ以降でこの童謡集出版までの間ということになりますでしょうか。正確には分かっていないのですが1921年から1922年の初めにかけてということになります。その意味では白秋の詩につけたこれが最初の童謡にして歌曲ということになりますでしょうか。小気味よく愛らしいリズムとメロディで、なんとも微笑ましい情景を歌います。
楽譜には第1節の歌詞しか記されておりませんのでそこだけで歌われるのかも知れませんが、歌詞はのちに白秋全集(1933)に掲載されたものをすべて書き写しました。
( 2015.10.17 藤井宏行 )