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かへろかへろと    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      かへろかへろと

曲: 山田耕筰 (Yamada Kousaku,1886-1965) 日本   歌詞言語: 日本語


かへろかへろと
なに見てかへる。
  寺の築地の
  影を見い見いかへる。
   『かへろが鳴くからかぁへろ。』

かへろかへろと
たれだれかへる。
  お手手ひきひき
  ぽっつりぽっつりかへる。
   『かへろが鳴くからかぁへろ。』

かへろかへろとと
なに為(し)てかへる。
  畑の玉葱
  たたきたたきかへる。
   『かへろが鳴くからかぁへろ。』

かへろかへろと
どこまでかへる。
  あかい燈のつく
  三丁さきまでかへる。
   『かへろが鳴くからかぁへろ。』



童謡集「子供の歌」のために作曲が集中した1925年1月に引き続き、この曲も同じ年の2月に書かれています。詩と曲が同時に雑誌「童話」1925年4月刊に掲載されていますが、白秋の詩はのちに「月と胡桃」に収録されました。そこでは詩の題は「かへろかへろ」になっていたようですが、耕筰の曲では「かへろかへろと」になっています。
 『かへろが鳴くからかぁへろ。』のわらべ歌のフレーズが効果的。私は「カエルが鳴くから」だと思っておりましたが、白秋は「かへろ」としていますね。どこかの方言でのカエルの呼び名でしょうか?

( 2015.10.12 藤井宏行 )


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