あの子のお家(うち) 子供の歌 |
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あの子のお家はどんな家。 野茨が咲いたと言うてゐた。 仔馬もゐるよと言うてゐた。 あの子のお家はどこいらか。 雲雀よ。空から見ておくれ。 よしきり。よしきり。行て見よよ。 あの子のお家はどのお家。 土手から土手へとのぼつても、 つばなやよもぎの風ばかり。 あの子のお家は葦の中、 向うの向うの沼のへり。 仔馬もゐるよと言うてゐた。 |
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白秋の詩集でもこの歌曲集と同じように「かんなくづの笛」のあとに置かれています。この歌曲集の傾向としてテンポをところどころ落として、また最後を終止形で終わらせないことで余韻を残すというスタイルがありますが、この曲もそのように作られています。
( 2015.10.11 藤井宏行 )