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かんなくづの笛    
  子供の歌
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    子供の村 (1925)  かんなくづの笛

曲: 山田耕筰 (Yamada Kousaku,1886-1965) 日本   歌詞言語: 日本語


みんなは草ぶえ、葦のふえ、
わたしのお笛はかんなくづ。

巻いてりやすずしいかんなくづ、
紅ばなたたいて染めましよか。

みんなのかあさん草刈りに、
わたしの父さん船大工。

父さんお船はいつできる、
兄さん海見にいつ連れる。

わたしのお笛はかんなくづ、
吹いてりや楊の絮(わた)が飛ぶ。



前奏もなくわずか8小節しかない非常に簡単な作りの歌です。「重く やるせなく」と指定があるようにゆったりと哀調を帯びて歌われるのでしょうが、シンプルな中にも力感があってなかなか良くできた作品だと思います。第1曲「子供の大工」と同じ「子供の夏」というサブセクションに置かれ、同じ「かんなくづ」というキーワードで結ばれておりますのでなにがしかの関係はあるでしょうか。もっともこちらのかんなくづは船大工の父親が削り出したもののようですね。薄くてびらびらするかんな屑は確かに草笛の代わりになりますね。

( 2015.10.11 藤井宏行 )


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