おろかしく |
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おろかしく涙ながせば おもしろと手うちはやしぬ 堪へかぬるふかきといきは 人知らず見て過ぎにけり |
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「詩と音楽」という雑誌の1923年10月、震災記念号にて発表された作品です。そういう登場の仕方だということを知ると何か震災の影響を勘ぐってしまうような詩の内容ですし、音楽も相当気合いの入った本格的な歌曲なのですが、実は作曲は関東大震災前の8月だということなのだそうです。詩は白秋の詩集「水墨集」に収録されています。
( 2015.10.07 藤井宏行 )