象の子 |
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わたしや象の子おつとりおつとりしてた。 何か知らぬがゆつくらゆつくらしてた。 お眼々ふさいでうつとりうつとりしてた。 お鼻ふりふりゆうらりゆうらりしてた。 何処か知らぬがのつそりのつそりしてた。 いつか知らぬがとうろりとうろりしてた。 何もしもせずぼんやりぼんやりしてた。 坊や おまんまだよ。 誰か呼ぶけどうつとりうつとりしてた。 お鼻ふりふりゆうらりゆうらりしてた。 |
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なかなか愛らしい童謡です。白秋の8番目の童謡詩集「象の子」より。冒頭にこの詩を絡めたちょっとメルヘンなお話が載っていたりして素敵な本です。ネット上でも青空文庫で簡単に読めますのでぜひご覧ください。耕筰の曲はちょっと技巧に走り過ぎているような気もしますが良い曲です。この同じ詩には湯山昭がメロディをつけていて、こっちの方が一般受けしそうな分かりやすさでずっとポピュラーでしょうか。
( 2015.10.06 藤井宏行 )