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さいかち虫    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      さいかち虫

曲: 山田耕筰 (Yamada Kousaku,1886-1965) 日本   歌詞言語: 日本語


いが栗、ささ栗、栗のいが、
ねんねの弟は何処へ往た。
  きつちきつち、さいかち虫、
  捕りに往た。

いが栗、ささ栗、栗のいが、
一年待てどもまだ見えぬ。
  きつちきつち、さいかち虫、
  飛んで往た。

いが栗、ささ栗、栗のいが、
今年もひわれて墓の上。
  きつちきつち、さいかち虫、
  まだゐぬか。

いが栗、ささ栗、栗のいが、
ねんねの弟は土の下。
  きつちきつち、さいかち虫、
  捕りに往た。



さいかち虫とはカブトムシのこと。語呂の良い詩ですがここで歌われているのは死の影ですね。幼児死亡率の高かった昔ならではの歌と言えましょうか。白秋の童謡詩集「花咲爺さん」の「虫のうた」のセクション、最後の詩です。

( 2015.10.05 藤井宏行 )


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