In der Frühe Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier |
明け方に メーリケ歌曲集 |
Kein Schlaf noch kühlt das Auge mir, Dort gehet schon der Tag herfür An meinem Kammerfenster. Es wühlet mein verstörter Sinn Noch zwischen Zweifeln her und hin Und schaffet Nachtgespenster. - Ängste,quäle Dich nicht länger,meine Seele! Freu dich! schon sind da und dorten Morgenglocken wach geworden. |
熱い瞼を癒す眠りも来ぬうちに 部屋の窓からはもう 朝の光が射しこんでいる わたしの乱れた思考は いまだ疑念の中をあちこちと彷徨い それを掘り返しては夜の亡霊を造り出す ・・・不安、苦悩 もうやめよ、わたしの心よ! 喜ぶのだ! すでにそこここで 朝の鐘が目覚め始めている |
メーリケの詩による歌曲集の第24曲。陰鬱な冒頭から転調を続けてしだいに明るさを増し、希望に満ちた夜明けに至る心の過程を描いた、短くも感動的な作品。フィッシャー=ディースカウ氏もお気に入りのようで、CD化されている氏のメーリケ歌曲集のライブ録音2とも冒頭に置かれています。 (甲斐貴也)2001.8.26
第一行の「熱い」は原詩に無く、「癒す」は直訳では「冷ます」です。初稿ではこの行を「心地よい眠りも訪れぬままに」と意訳していたのですが、「眠りで眼を冷ます」とは、泣き腫らした眼を眠ることで冷ます、の意ではないかと思い至り修正しました。「熱さを癒す」=「冷ます」ということで原文もある程度生かせたのではと思っています。最後の「目覚め始めている」はもちろん「鳴り始めている」の意ですが、面白い言い回しでもあるのであえて直訳にしました。2003.9.19改訂
( 2003.9.19 甲斐貴也 )