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In der Frühe    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
明け方に  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  In der Frühe

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Kein Schlaf noch kühlt das Auge mir,
Dort gehet schon der Tag herfür
An meinem Kammerfenster.
Es wühlet mein verstörter Sinn
Noch zwischen Zweifeln her und hin
Und schaffet Nachtgespenster.
- Ängste,quäle
Dich nicht länger,meine Seele!
Freu dich! schon sind da und dorten
Morgenglocken wach geworden.

熱い瞼を癒す眠りも来ぬうちに
部屋の窓からはもう
朝の光が射しこんでいる
わたしの乱れた思考は
いまだ疑念の中をあちこちと彷徨い
それを掘り返しては夜の亡霊を造り出す
・・・不安、苦悩
もうやめよ、わたしの心よ!
喜ぶのだ! すでにそこここで
朝の鐘が目覚め始めている

メーリケの詩による歌曲集の第24曲。陰鬱な冒頭から転調を続けてしだいに明るさを増し、希望に満ちた夜明けに至る心の過程を描いた、短くも感動的な作品。フィッシャー=ディースカウ氏もお気に入りのようで、CD化されている氏のメーリケ歌曲集のライブ録音2とも冒頭に置かれています。 (甲斐貴也)2001.8.26
第一行の「熱い」は原詩に無く、「癒す」は直訳では「冷ます」です。初稿ではこの行を「心地よい眠りも訪れぬままに」と意訳していたのですが、「眠りで眼を冷ます」とは、泣き腫らした眼を眠ることで冷ます、の意ではないかと思い至り修正しました。「熱さを癒す」=「冷ます」ということで原文もある程度生かせたのではと思っています。最後の「目覚め始めている」はもちろん「鳴り始めている」の意ですが、面白い言い回しでもあるのであえて直訳にしました。2003.9.19改訂

( 2003.9.19 甲斐貴也 )


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