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Nimmersatte Liebe    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
恋は飽くことを知らぬもの  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Nimmersatte Liebe

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


So ist die Lieb'! So ist die Lieb'!
Mit Küssen nicht zu stillen:
Wer ist der Tor und will ein Sieb
Mit eitel Wasser füllen?
Und schöpfst du an die tausend Jahr’,
Und küßest ewig,ewig gar,
Du tust ihr nie zu Willen.

Die Lieb',die Lieb' hat alle Stund
Neu wunderlich Gelüsten;
Wir bissen uns die Lippen wund,
Da wir uns heute küßten.
Das Mädchen hielt in guter Ruh',
Wie's Lämmlein unterm Messer;
Ihr Auge bat: nur immer zu,
Je weher,desto besser!

So ist die Lieb,und war auch so,
Wie lang es Liebe gibt,
Und anders war Herr Salomo,
Der Weise,nicht verliebt.

恋とはそんなもの! 恋とはそんなもの!
くちづけで鎮められることなどないのだ
篩(ふるい)に水を満たそうとする
愚か者がどこにいる?
たとえ千年水をすくっても
永遠にくちづけを続けても
恋が満たされることなどないのだ

恋は、恋は、いつでも常に
新しく違った欲求を作り出す
今日僕等がくちづけしたとき
唇を噛んで血が滲んでしまった
だが彼女は動じず落ち着いていた
まるで刃の下の小羊のように
その目は言っていた、「もっとよ
痛ければ痛いほどいいの!」

恋とはそんなものだ
恋がこの世にある限りは
あの賢者の名高いソロモン王の恋でさえ
違いはしないのだから

ヴォルフのメーリケ歌曲としては最も有名な作品の一つで多くの録音があります。中でも魅力的なのはシュヴァルツコップ。彼女の最後のレコードとして発売された「わが友に」(デッカ)は、実質的にメーリケ歌曲集の選集だったのですが(18曲中13曲)、この曲を男声歌手による歌唱にありがちな嫌らしさ(?)無しに面白おかしく聴かせる老練な歌いまわしもさることながら、なんと最終節で歌いながら笑うという荒業を聞かせているのです。女王シュヴァルツコップにのみ許される禁じ手とも思えますが、彼女はスペイン歌曲集でもこの手を使っていました。
2003.9.9改訂 

( 2003.9.9 甲斐貴也 )


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