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Pleurs d'or   Op.72  
 
黄金の涙  
    

詩: サマン (Albert Victor Samain,1858-1900) フランス
    Au jardin de l'Infante  Larmes

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Larmes aux fleurs suspendues,
Larmes aux sources perdues
Aux mousses des rochers creux;

Larmes d’automne épandues,
Larmes de cors entendues
Dans les grands bois douloureux;

Larmes des cloches latines,
Carmélites,Feuillantines …
Voix des beffrois en ferveur;

Larmes des nuits étoilées,
Larmes des flûtes voilées
Au bleu du parc endormi;

Larmes aux grands cils perlées,
Larmes d’amantes coulées
Jusqu’à l’âme de l’ami;

Larmes d’extase,éplorement délicieux,
Tombez des nuits! Tombez des fleurs! Tombez des yeux!

涙 吊るされた花たちに落ちる
涙 失われた泉に
岩のすき間の苔に落ちる

涙 降り注ぐ秋の
涙 聞こえてくる角笛の
巨大な悲しみの森の中に落ちる

涙 ラタンの鐘の 
カルメルやフイヤンの修道院の
熱い鐘楼からの響き

涙 星の夜の
涙 くぐもった音のフルートの
眠れる庭の青さに落ちる

涙 長いまつ毛の大粒の
涙 恋する者の流す
愛する相手の魂にまで届く

涙 恍惚の 心地よい悲しみの
落ちよ 夜より!落ちよ 花より!落ちよ この目より!


フォーレ中期の歌曲によく名前を見かける詩人アルベール・サマンの幻想的な詩につけたデュエット曲です。フォーレらしいたゆたうメロディに満ちてとても魅力的な歌です。ソプラノとバリトンの組み合わせが基本のようで、ロス=アンヘレスとフィッシャー=ディースカウのコンビといった素晴らしい演奏も聴けるのですが、ソプラノとメゾの女声のデュエットもまた透徹感がいっぱいで素敵です。男声が入らない分生々しくなくて良いかも知れません。

( 2015.09.19 藤井宏行 )


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