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はしれ超特急    
 
 
    

詩: 山中恒 (Yamanaka Hisashi,1931-) 日本
      

曲: 湯浅譲二 (Yuasa Joji,1929-) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


掲示板の方に書いている「反則題材」のために月光仮面の作曲者・小川寛興を検索したときに、いくつかの童謡のサイトも見付けて、懐かしさに思わずリストを隅々まで眺めてしまいました。
童謡作曲の大御所である中田喜直(「かわいいかくれんぼ」「とんとんともだち」など)や大中恩(「いぬのおまわりさん」「おなかのへるうた」など)、湯山昭(「あめふり熊の子」「おはなしゆびさん」など)の作品に混じって、意外な人が意外な作品の作者だったりしているのを見付けてびっくりしたのですけれども、その中でも特に印象深いこの曲をご紹介します。

作詞は児童文学者として「あばれはっちゃく」などで著名な山中恒、作曲はなんと現代音楽の泰斗、湯浅譲二ではありませんか。歌の出だしの「びゅわーん、びゅわーん」という新幹線の走行音の歌声による描写も過激に画期的で、子供のころから気になっていた曲でしたが、やはりタダモノではない作者の手になる作品だったのですね。もう一度ちゃんとした歌唱で聴いてみたいものですが今時あるのでしょうか...
(今更超特急でもないでしょうから。今の子供にとっては)
とはいえ、童謡の命であるわかりやすく、歌いやすいメロディーにも溢れていて、昭和史に残る名曲のひとつといえましょう。
日本が豊かになりつつあった昭和40年代、こんな夢をストレートにぶつける歌が出てきたというのはある意味幸せだったのかも知れません。今の時代に子供たちに歌われる題材となるようなものが果たしてあるのだろうかと、ちょっと寂しく思います。

「はしれハイブリッド・カー」〜環境に優しくても外見は何の変哲もない車ですから...
「モバイル通信の歌」〜今一つオタクっぽいかと...
「しまなみ海道」〜うちの近所ではともかく全国区としてはイマイチ。
貧困な発想はこれくらいにしますが、確かにないですね。だんご3兄弟が残るとも思えないし…
(藤井宏行)99.10.10

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1999年はNHK教育TV・「おかあさんといっしょ」の40周年ということで、昭和34年から番組で歌われた代表的な童謡300曲がCD10枚に収録されたとんでもないアルバムがコロムビアからリリースされました。この中でこの「はしれ超特急」なんと作曲者本人の編曲でのオリジナルが収録されています。当時の童謡の編曲というと、50年代アメリカのホームドラマ風の今聴くと何とも古さを感じさせるものが多い中で、この曲はキラキラとグリッサンドが高鳴る斬新な響きで、おやっと思いました。
昭和30年後半から40年代にかけて、湯浅氏は他にも童謡やポップスの世界にも遊んでおられたようで、この10枚組にも名曲「ピコットさん」が収録されています。それとこれは最近のPolitical Correctの風潮の中で復活は難しいのかも知れませんが「アッホイアッホイアッホイホイ」の掛け声が懐かしい「インデアンが通る」も湯浅譲二氏作の童謡です。
それと、これはとっても意外であったのですが、TVドラマ「コメットさん」(古い方の九重祐三子版)の音楽も氏の手に成るのだそうですね(詩はなんと寺山修司!)。非常にインパクトが強かったにも関わらず、子供心に音程の取れない難しい歌だという記憶しかないのですが、これもあの人の作曲だったとは...
(2001.01.02追記)

( 2001.01.02 藤井宏行 )


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