Sortunut ääni Op.18-1 6 laulua |
失われた声 6つの歌 |
Mikä sorti äänen suuren, äänen suuren ja sorian, äänen kaunihin kaotti, jok' ennen jokena juoksi, vesivirtana vilasi, lammikkona lailatteli? Suru sorti äänen suuren, äänen suuren ja sorian, äänen armahan alenti, jott' ei nyt jokena juokse, vesivirtana vilaja, lammikkona lailattele. |
何がその偉大な声を打ち砕いたのだ 素晴らしく 良く響く声を 美しき声は失われた それは川のように流れ せせらぎのようにしぶきを上げ 湖のように波立っていたのに? 悲しみがその偉大な声を打ち砕いたのだ 素晴らしく 良く響く声を 愛しい声は弱まってしまった それはもう川のようには流れず せせらぎのようにはしぶきを上げず 湖のようには波立たないのだ |
シベリウスには独唱歌曲と同じくらい、あるいはそれ以上の数のおびただしい合唱作品があります。面白いのは独唱歌曲が彼の日常使っていたスウェーデン語の詩につけたものが多いのに対し、合唱作品の方は逆にフィンランド語の詩によるものの方が多くなっていることです。カレワラなどの伝承詩につけることが多かったこともあるのでしょうが、何と言いますかフィンランド語の柔らかい響きが特にアカペラの合唱には良くあっていたということもあるように思っています。
この分野で最もポピュラーなのがこの6曲からなるOp.18の合唱曲でしょうか。もともとは男声合唱のために書かれたものですが、混声合唱用にも編曲されていて、その版でも良く歌われます。作曲時期は1893年から1901年までけっこうバラバラで、単独に書かれた曲を集めたといったところでしょうか。詩の雰囲気も曲想もかなりまちまちの6曲です(それだけにまとめて聴くと変化があって面白いのですが)。
第1曲目は伝承の歌謡詩カンテレタールから取られた感傷的な詩にメロディをつけています。詩は何かを象徴しているかのように含蓄があるのですが結局何を意味しているのかは分かりませんでした。典雅な悲しみにあふれた穏やかな曲です。
( 2015.05.03 藤井宏行 )