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たんぽぽ    
 
 
    

詩: 三好達治 (Miyoshi tatsuji,1900-1964) 日本
    花筐 (1944)  

曲: 中田喜直 (Nakada Yoshinao,1923-2000) 日本   歌詞言語: 日本語


たんぽぽ
たんぽぽ
なが咲けば春の風ふき
青き霞は丘をこめ
小鳥らは木の間にうたふ
のどかなるかかる佳き日の
路のべに咲けるたんぽぽ
たんぽぽ
年ごとになれは咲けども
その春にわれはいくたび
あわれいまいくたびめぐりあふ
命なるらん
たんぽぽの花



昭和22年の作品。さわやかな春の情景描写でありますが、どこか無常観の漂う深みのある歌です。蝶々がひらひらと飛んでいるかのような明るくさわやかなメロディで始まりますが、「年ごとになれは」のところで音楽はほんのりと翳り、儚い花の命を、そしてそれに引き映した自らの命を思っています。
色々な声で歌われる曲ですが、やはり澄んだソプラノが一番音楽と合っているように思います。伊藤京子さんの歌声が私には一番魅力的でした。

( 2015.04.18 藤井宏行 )


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