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行々子(よしきり)    
  沙羅
 
    

詩: 清水重道 (Shimizu Shigemichi,1909-1958) 日本
      

曲: 信時潔 (Nobutoki Kiyoshi,1887-1965) 日本   歌詞言語: 日本語


ふるさとの
河原の平(ひら)に
よしきりは鳴く

日ねもす鳴く

昔わが遊びし時と
變ることなし

よしきりは鳴く
日ねもす鳴く

耳いたく鳴く




行々子と書いて「ヨシキリ」、仰々しい声で「ギョギョシー」と啼くからの当て字でしょうか。「オオヨシキリ」で検索していただくと鳴き声が聴ける動画にアクセスできます。この詩でも「耳いたく鳴く」とありますが、確かにこの鳴き声が集団で襲ってきたらうるさいでしょうなあ。音楽は穏やかに、自分の子供のころのノスタルジーに浸っています。ピアノ伴奏に現れる鳥の鳴き声もそんなにやかましくはなく、むしろ美しいほどです。
先年亡くなったバリトン歌手 畑中良輔の歌う温かみのある歌声が実にしっくりと来る曲です。20年前の1995年に信時没後30周年としてリリースされたCDに収録されていましたが、今年没後50周年はどうなのでしょうか。何らかの形で忘れ去られないように多くの方に耳にして頂ける機会をまた作っていただければと切に思います。

( 2015.04.10 藤井宏行 )


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