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The secrets of the old   Op.13-2  
  Four songs
老人の秘密  
     4つの歌

詩: イエイツ (William Butler Yeats,1865-1939) アイルランド
    The Tower  The secrets of the old

曲: バーバー (Samuel Barber,1910-1981) アメリカ   歌詞言語: 英語


I have old women's secrets now
That had those of the young;
Madge tells me what I dared not think
When my blood was strong,
And what had drowned a lover once
Sounds like an old song.

Though Marg'ry is stricken dumb
If thrown in Madge's way,
We three make up a solitude;
For none alive today
Can know the stories that we know
Or say the things we say:

How such a man pleased women most
Of all that are gone,
How such a pair loved many years
And such a pair but one,
Stories of the bed of straw
Or the bed of down.

私は今知った 年老いた女たちの秘密を
彼女たちは若い時の秘密を持っていた
マッジは私に語る 私が考えもしなかったことを
私の血気が盛んだったころには
それから昔溺れ死んじまったひとりの恋人のことを
昔の歌みたいに響かせて

マージャリーは黙ってしまうが
マッジの前に出された時にゃ
わしら三人 孤独でできてる
なぜなら今日び 生きてる奴ぁ
わしらの知ってる話なんぞ誰も知らんし
わしらの言う事なんぞ誰も言わんのだ

どの男が一番女どもを喜ばせただとか
死んじまった奴らの中で
どのペアが何年も続いた一方で
別のペアは一年しか続かなかったとか
藁のベッドの上の話やら
ダウンのベッドの上の話やらを


4つの歌曲op.13からの一曲、4人の時代も国もまちまちの詩人の詩を集め、雰囲気も多彩な歌曲集です。バーバラ・ボニーが4曲まとめて歌っているOnyx盤が聴きやすいでしょうか。その第2曲はイエイツの詩ですが、詩をご覧いただければお分かりのようにかなりユーモラスでシニカルなもの。歯切れの良いテンポと共に軽快に歌われています。でも何となくしみじみとさせられてしまうのは老いの悲しみがほのかに漂っているからでしょうか。端正なメロディラインがそんな感じを引き起こし、余韻を持たせて終わります。

( 2015.02.21 藤井宏行 )


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