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サンタクロス    
 
 
    

詩: 清水かつら (Shimizu Katsura,1898-1951) 日本
      

曲: 弘田龍太郎 (Hirota Ryutarou,1892-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


おじいさん
しろいおひげのおじいさん
いいもの ふくろに
うんとこしょ
タオルも にんぎょうも
いれてくる
うん
そうだよ ほんとだよ

おじいさん
あかいコートのおじいさん
きれいな ほしぞら
うみのみち
おゆめも くばりに
そりでくる
うん 
そうだよ ほんとだよ

おじいさん
サンタクロスのおじいさん
ここにも うちにも
クリスマス
あしたの たのしみ
わけにくる
うん 
そうだよ ほんとだよ



作詞:清水かつら、作曲:弘田龍太郎のコンビといえば「叱られて」や「靴が鳴る」「雀の学校」と日本の伝統的童謡の王道を行く作品を多数生み出していた訳ですが、そんな彼らにクリスマスのことを歌った作品があると知ったのは結構な驚きでした。
日本の「公認」サンタクロース!、パラダイス山元氏が2004年にプロデュースしたCD「クリスマス天国」(Victor)に、橋幸夫の歌う「ジングルベル」や和田弘とマヒナスターズの歌う「ホワイト・クリスマス」といった強烈な歌に混じってさりげなく収録されていたこの曲、オリジナルは昭和23年のリリースなのだそうで、当時の雰囲気ばりばりの児童合唱で歌われているのを聴くことができます。
現代の目で見たクリスマスという雰囲気は微塵もありませんが、これはこれで貴重な歴史的記録と言えましょう。まだ戦争が終わって3年しか経っていない時期、サンタクロースからのプレゼントがタオルというのも時代を感じさせます。でももうこの頃にサンタクロースの基本形が出来上がっていたのですね。
そんなことも分かってなかなか興味深いところです。

なお実は弘田龍太郎には更に遡ること昭和8年にも「サンタ・クロス」という歌があります。
こちらは私も耳にしたことはありませんが、歌詞は見たことがあります。こちらは作詞が林柳波なので著作権がまだ切れておりませんのでここではご紹介できませんが、この清水かつらの詩よりもずっと今の世に近い感覚でした。意外と昭和の初めも現代と近いのだということでしょうか。

( 2014.12.20 藤井宏行 )


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