Façade |
ファザード |
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厳密にはこれ、歌曲とは言えないかも知れません。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」をジャズにしたような曲だなと思っていたら、本当にこのパロディを意図して書かれたもののようです。
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」にでも出てきそうな難解な詩を40編、室内アンサンブルが音楽を物憂げに奏でる中で女性が朗読すると気分はもう大恐慌前のデカダンス、私はウォルトンの曲の中では一番鮮烈な印象を受けました。ワイルが「三文オペラ」を書く感覚で「月に憑かれたピエロ」を真似したらこんなのが出来るかなといった感じです。世紀末2大頽廃路線の超合体とでもいいますか...
CDは廉価盤で、Discoverにいい演奏があります(朗唱:パメラ・ハンター)。ASV やChandos にも録音がありますが、伴奏だけを管弦楽編曲したものもあるので注意が必要です。「完全版」をお求め下さい(伴奏だけ聴いても結構強烈ではありますが)
( 1998.07.27 藤井宏行 )