Aime-moi 12 Mazurkas |
私を愛して 12のマズルカ |
Tu commandes qu'on t'oublie, J'ai grand peine à t'obéir; Mais ainsi le veut ma mie, Son désir est mon désir. Vraiment,mon désir, Vraiment,mon désir, Lorsque joyeux je m'élance, Tu rougis et veux me fuir; Mon amour est une offense, Pourquoi donc t'en souvenir? Mais quoi! des pleurs,ma belle; Ecoute,apaise-toi; Plus de folle querelle, Je t'adore,aime-moi. La La La Tu commandes qu'on t'oublie, J'ai grand peine à t'obéir; Mais ainsi le veut ma mie, Son désir est mon désir. Lorsque joyeux je m'élance, Tu rougis et veux me fuir; Mon amour est une offense, Pourquoi donc t'en souvenir? ... Mais quoi! tu pleures ma belle Sois clémente,apaise-toi, Plus d'inutile querelle, Je t'adore; Sois à moi! Ah! |
「忘れろ」というのがあなたの命令だけど それに従うのは私にはとてもつらい でも私の恋心はそれに従うの あの人の願いは私の願いなのだから 心からの私の願い 心からの私の願い 私があなたに近付いていくと あなたは真っ赤になって私のもとから逃げようとする 私の恋は迷惑なの? なぜそんなことを気にしているの? でも、どうして!涙よ、かわいい子 聞いて。おちついて おろかなけんかはやめましょ あなたが好き。だから私を愛して ラララ 「忘れろ」というのがあなたの命令だけど それに従うのは私にはとてもつらい でも私の恋心はそれに従うの あの人の願いは私の願いなのだから 私があなたに近付いていくと あなたは真っ赤になって私のもとから逃げようとする 私の恋は迷惑なの? なぜそんなことを気にしているの? でも、どうして!涙よ、かわいい子 聞いて。おちついて むだなけんかはやめましょ あなたが好き。私と一緒にいて! ああ! |
ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」の初演でアルマヴィーヴァ伯爵を歌ったテノール歌手ガルシアの娘で、自身も名メゾソプラノとしてパリで一世を風靡したポーリーヌ・ヴィアルドーガルシアは、ブラームスの「アルト・ラブソディ」の初演を歌った人として、あるいは小説家ツルゲーネフの愛人としてなどで歴史に名を残しているようですが、自ら歌曲を作曲もしています。フランスの作曲家がよく曲を付けているミュッセやゴーティエの詩に付けたものもあり、これらはかなり本格的ですし、とても耳にやさしい印象的な歌揃いで聴き応えがあります。彼女の父の故郷であるスペイン情緒に溢れた曲が特に素敵ですが、ここではちょっと異色で面白い作品を取り上げてみることにしました。
この曲、実はショパンのマズルカでは比較的有名なOp 33/2 D majorのメロディに詩を付けて歌われています。詩も別人がクレジットされていますので彼女の作というのには無理があるかも知れませんけれども、流麗なフランス語の歌にしっくりと乗ったマズルカのメロディは見事です。もっとも詩の内容は子供が書いたようなかなり稚拙な感じですが...
作曲者のショパン自身、このマズルカの歌曲の編曲がお気に入りであったそうで、よく喜んで伴奏を務めたのだとか。
他にもマズルカの編曲による歌曲はあって、Op 50/2 A flat Majorに付けた「16歳」、Op 50/1 G majorに付けた「踊り」、そしてOp 68/2 A minorに付けた「小鳥」と、なかなか選曲の妙を見せてくれますし面白い聴き物です。
CPOにあるヴィアルド-ガルシア歌曲集で、ソプラノのカーリン・オットによる味のある歌声でこれら4曲は楽しむことができます。
未聴ですが、彼女によるマズルカの編曲は他にもいろいろあるようで、それらを全部集めた録音もあるとか。通して聞くと飽きるかも知れませんが結構面白そうです。
( 2003.10.28 藤井宏行 )