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Storia breve   P 52  
 
短いお話  
    

詩: ネグリ (Ada Negri,1870-1945) イタリア
      

曲: レスピーギ (Ottorino Respighi,1879-1936) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Ella pareva un sogno di poeta;
Vestia sempre di bianco,e avea sul viso
La calma d'una sfinge d'Oriente:

Le cadea sino ai fianchi il crin di seta;
Trillava un canto nel suo breve riso,
Era di statua il bel corpo indolente.

Amò,non fu riamata. In fondo al core,
Tranquilla in fronte,custodì la ria
Fiamma di quell'amor senza parole.

Ma quel desio la consumò... ne l'ore
D'un crepuscol d'Ottobre ella moria,
Come verbena quando manca il sole.

彼女は詩人の夢のように見えた
いつも白い服を着て、顔にはたたえていた
東方のスフィンクスの静けさを

絹の髪は腰まで届き
歌声が響いた その短いほほ笑みのうちに
それは彫像のようだった ゆったりとした美しい体の

愛したのだ 愛し返されることなく 心の底から
静かな面持ちで 秘めたのだ
言葉のない愛の炎を

けれどその想いは彼女を消耗させた.. とある
十月の黄昏時に彼女は死んだ
太陽を失ったバーベナの花のように


歌詞に「十月」とありましたので10月にアップするつもりでしたが失念しておりましたので1ヶ月遅れのアップです。いかにもネグリらしい幻想的、象徴的な詩で、「彼女」というのが誰かは結局よく分からないのですが、何となく高貴な悲しみのようなものは伝わって参ります。
1・2節で穏やかで淡々と流れて行くメロディはとても美しく印象に残りますけれども、第3節で展開した音楽も最後まで暗く沈むことはなく優しく曲を閉じます。あまり知られていませんけれどもなかなかの傑作だと思います。

( 2014.11.16 藤井宏行 )


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