Song of the Frogs Op.24-6 Vedic Hymns |
蛙たちの歌 ヴェーダの詠唱 |
Throughout the summer they were lying, Their skins were scorching in the sun, Now the rain hath wakened their voices, Their singing hath begun, And welcoming each other, They rise and quench their thirst. And one repeats another's greeting, In courtly words polite and mild, As a scholar learning a lesson, A father teaching his child. With eloquence and wisdom They swell and seem to burst. “Brothers rise and join the throng Our throats are moist and ripe for song. So pray you bellow like a cow, Or bleat like goat,or grunt like sow.” Like Brahmans sitting round the altar, Who loudly talk of holy rite, Round the pool the frogs are ranging With speech and song and fight. Their year-long vow of silence Hath ended with the Rain. The joyous earth is now reviving, The trees and flowers now arise, And our hearts go forth in gladness To greet the noisy cries. The singing of the Frogs Hath brought wealth to us again. “Brothers rise and join the throng Our throats are moist and ripe for song. So pray you bellow like a cow, Or bleat like goat,or grunt like sow.” |
夏の間ずっと彼らは横たわっていた 彼らの肌は 太陽の下で焼かれた 今 雨が彼らの声を目覚めさせたのだ 彼らの歌声が始まった 互いに挨拶しながら 彼らは起き上り 渇きを癒すのだ そしてまた 別の挨拶が繰り返される 丁寧で穏やかな宮廷の言葉で 文献を学ぶ学者のように 子供を教える父親のように 雄弁さと知恵とで 彼らは膨れて 今にも破裂しそうに見える 「兄弟よ 起きて群れに参加しろよ 俺たちの喉は潤って 歌うには打ってつけだ だから牛のように怒鳴って祈ろうか それともヤギのように鳴こうか 雌ブタのように呻こうか」 祭壇の周りに座っているバラモン僧たちが 大声で神聖な経典を読んでいるように 池のまわりで 蛙たちは喚いている 喋り 歌い 戦いながら 彼らの一年間の沈黙の誓いは 雨と共に終わったのだ 喜びに満ちた大地は今復活し 木々や花々は今芽吹いた そしてわれらの心も喜びが湧き立つ 騒がしい鳴き声に挨拶しようと カエルの歌声は われらに再び富をもたらしたのだ 「兄弟よ 起きて群れに参加しろよ 俺たちの喉は潤って 歌うには打ってつけだ だから牛のように怒鳴って祈ろうか それともヤギのように鳴こうか 雌ブタのように呻こうか」 |
ここまでずっとヒンズーの神様が続いたところで突然蛙の大合唱... かなりの違和感があります。蛙の鳴き声を模したと思われるピアノ伴奏も、あんまり蛙の鳴き声なんかはじっくり聞いたことのなさそうなイギリス人の描写ですからそれっぽくはありますが何かカラフル過ぎてちょっと変な感じ。飄々とスピーディに、雨季がやってきて喜びに湧きかえる蛙たちの狂乱を暖かく描写しています。
( 2014.11.14 藤井宏行 )